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三たびの海峡

三たびの海峡

三たびの海峡

作家
帚木蓬生
出版社
新潮社
発売日
1992-04-01
ISBN
9784103314066
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三たびの海峡 / 感想・レビュー

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クリママ

1度目は、炭鉱労働のための強制連行により対馬海峡を渡らされる。2度目は祖国に帰るため。3度目は… 戦争の時も、それ以外でも、日本人が何をしてきたのか知らなければいけない、そんな作者からのメッセージを感じつつ読む。歴史はよくわからないものの、奈良平安以前の昔から知識を与えてもらった国々に対して、秀吉が愚行をし、明治には列強の植民地化の真似をして踏みにじる。ドイツの人たちはユダヤ人に対する行いを知っているのに、日本人はどうなのだ。しかし恨みが具現化された結末は、今まで読んだ帚木作品らしからぬものを感じた。

2017/07/31

sakadonohito

壮絶な物語。徴用で朝鮮から九州の炭鉱に連行され地獄のような日々を送り、戦後は紆余曲折のすえ釜山で商売をしていた主人公が再び海峡を越え炭鉱のあった地へと戻って来る。両班の理解に怪しい箇所があったが、それ以外は臨場感のある物語に思えた。主人公も何気に倫理的にどうなの?という行いもあったりするのが微笑ましかった。そこまでするか?的な表現がありますが、まぁフィクションということで。

2024/08/17

ichiro-k

2週間は、この書籍に格闘。日本から見ると反日、韓国から見ると強制連行の告発小説。主人公の不幸話満載。個人的に「恋愛話」は苦手なので、恋愛話の描写を読むのが苦痛。なぜか昔のテレビドラマ「どてらい奴」を思い出す。やはり、子供心に苦痛を感じていた。オワリ

2010/07/07

冬薔薇

本を読むたびに知らないことがいかに多いかを痛感させられる。戦時中の強制連行された人たちのことはニュースで賠償裁判や和解など知ってはいるつもりでも、その辛苦を生に身近に感じられるのはこういう小説によってしかない。ボタ山の同胞の墓を歴史に残すべく三たび対馬海峡を渡る決心をした河時根の生涯を描く。「歳月が人の身体と心に容赦なく刻んだ傷跡は、人の死と同時に消えていく。~残るのは血の通わない歴史でしかない、~人は忘却の中でまた同じ轍にはまりこんでいくだろう」。本作は「日本人が書いておくべき義務がある」物語として

2016/11/21

ちんれん

戦中の朝鮮からスタート。強制連行、炭鉱での虐待、戦後再度海峡をわたる韓国人、在日1世の話。どこかで聞いたり読んだりしたことのある内容ではあるものの面白い。サラッと読み進めます。ぜひ。

2010/09/18

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