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悲素

悲素

悲素

作家
帚木蓬生
出版社
新潮社
発売日
2015-07-22
ISBN
9784103314226
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悲素 / 感想・レビュー

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「やめよう」と何回思ったことか。読み終わった、今、読んで良かった。光山刑事の手紙に目頭が熱くなりました。沢井教授、支えた各先生の執念に脱帽です。「悲素」には「怒り」と「鎮魂」込められた思いが伝わってきました。。

2016/04/17

スパシーバ@日日是決戦

B (2015年) 1998年7月25日、「夏祭りで60人食中毒 手作りカレーが原因か?」。2009年4月最高裁は、「カレー毒物混入のみならず、保険金詐欺のための長年にわたる度重なる殺人未遂を犯しながら全く反省がなく、かつ遺族や被害者に対して慰藉の措置を一切講じていない卑劣さは、死刑の科刑以外あり得ないと結論」。手にした金銭は数億を下らない。毎月の莫大な掛け金に保険会社は疑問を抱かったのだろうか?の疑問とともに、容易に保険金が支払われるという事実に愕然。「化学」って凄い!と改めて実感した。

2016/05/11

high

[15-288-156]1998年7月和歌山で実際に起きた毒物カレー事件を元に、警察から要請を受けた毒物の専門医の目線で描かれた小説。医学用語や数字データ、裁判でのやり取り…かなり苦戦しながら読み終えた。ほぼ事実に基づいて書かれていると思うが、小説ということは創作。どの部分が創作なのか? これを読んで、実際の事件を分かった気になってしまうのが怖い。作者の犯人に対する怒りは十分に伝わった。

2015/12/11

クボタ

和歌山カレー事件、時間は経過したが未だ当時のことが鮮明に思い出される。報道陣にホースで水を掛けていた被告人。どのような理由で事件を起こしたのかは想像でしか分からない。この小説は医師の立場での解明がされているが専門的な内容で分からない点も多かったが砒素を悲素とした思いが何となく分かった。

2016/04/01

miyumiyu

実際に松本サリン事件と和歌山カレー事件の捜査協力をした医師がモデル。その沢井医師を主人公に、同事件や裁判の経緯を克明に再現している。医学専門用語を用いた細かい説明は若干読み飛ばしたが、臨場感溢れる描写に読む手が止まらない。医師である著者だからこその、「本物の医学の力で犯罪をあぶり出す」「医学研究の最終的な存在意義は社会貢献。そうでなければ研究は自己満足でしかない」の一文は、深く心に残る。最後の光山刑事の手紙に涙がこみ上げる。犯人と裁判に対しての怒りを込めた渾身の文章で、非常に読み応えあった。

2016/02/24

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