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沙林 偽りの王国

沙林 偽りの王国

沙林 偽りの王国

作家
帚木蓬生
出版社
新潮社
発売日
2021-03-26
ISBN
9784103314257
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沙林 偽りの王国 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

化学のお勉強のような所はかなり斜めにページを捲ったがそれでも長い(汗)あの団体、関連する沢山の事件。あの頃TVや新聞から田舎に住む私だってとても怖く不安に感じた。教団施設に捜査が入る映像を『もっと早くに突入できなかったのか?」と思っていたのを思い出す。【サリン】初めて知った言葉だったけれど、結局麻原はあの組織は何だったんだろう…忘れたいけど忘れられない事件だ。麻原以下13人に死刑執行されても、犠牲者や今も苦しまれている方々にはたまらなく虚しいだろう。松本サリン事件から27年、帚木作家の執念を感じた。

2021/04/26

初美マリン

断片的に覚えているオウム真理教をしっかり読み直した。しかし恐ろしい。サリンの他に生物菌やVXなどの毒ガスも製造途中であったよし。ここまで大きくなるには多分に暴力的なのにもっと早く見つけられなかったのか、素人にも警察の指揮系統の見直しとかなすべきことはたくさんあるであろう。サリン事件は終わっていないと作品の最後にあるがその通りだと思う、

2021/10/05

パトラッシュ

武装宗教による暴力事件などアメリカの話と思っていた20世紀末の日本人にとって、オウム真理教による拉致、殺人からサリン事件に至る暴走は信じられないテロルだった。その全貌について大量の情報が錯綜しているが、医師でもある著者が小説の形で一連の経緯を明快に説明してくれる。麻原という男の際限ない妄想が多くの犠牲者を出し、巻き込まれた人たちの苦痛がいかほどだったかを思い起こさせる。同時に硬直化した現代日本の体制が宗教団体に手を出せず、その犯罪を許した経緯も厳しく批判する。日本だからこそ起こった狂気の犯罪だと痛感した。

2021/09/03

ぶち

地下鉄サリン事件が起きたあの日の朝、私はテレビの前に釘付けになって戦慄していました。30年近く過ぎた今でも鮮明に覚えています。 この本は、オウム真理教の一連の事件を、公表されている事実、新聞報道、週刊誌記事などの膨大な資料を挙げ、著者の医師としての知見を加えて、事件の全貌を描き出しています。そこに描かれている狂気に、そして人は簡単に洗脳されてしまうということに、恐れおののきます。数多くの犠牲者がいたこと、果敢に戦った医療者、警察官、地下鉄職員らの献身を、私たちは忘れてはなりません。

2021/09/17

のぶ

本書は、小説と言うよりオウム真理教の一連の事件に関するノンフィクションですね。地下鉄サリン事件からもう26年が過ぎてしまった。麻原と教団幹部の行った暴挙は、今でも忘れられないけれど、帚木さんは教団が創設される経緯から、数々の事件、裁判に至るまで、詳細かつ整然と記述されていて、思わず引き込まれてしまった。また現役の医師でもあり、医学的見地から、サリン他一連の毒物への解説が詳しいが、こちらは難解だった。いずれにせよ、過去に例のない凶悪な犯罪をこれだけの大作にまとめ上げた手腕は大いに評価したい。

2021/04/10

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