旅日記 ヨーロッパ二人三脚
旅日記 ヨーロッパ二人三脚 / 感想・レビュー
あじ
授賞式で日本を出たのをきっかけに、夫・松山善三氏とパリ、ローマ、ヴェニス等を七ヶ月間に渡って見聞した時の記録です。日記を書かなかった高峰さんですが、"旅日記"だけは欠かさなかったそう。旅先で出会った人、訪れた場所、食べたもの、購入したもの…が忘備録的な文章で綴られています。きっと持ち帰った思い出を、自分の中だけで回顧する為だったのでしょう。「思い出は何時でも何処でも取り出して懐かしむ事ができるし、泥棒に持って行かれる心配もない」とおっしゃていたお言葉を思い出します。
2013/11/18
ganesha
1958年のヴェネチア映画祭から59年3月までの欧州旅行日記。往時の著名な俳優や映画などが多く登場する。藤田嗣治とのエピソードや、帰りに寄港した中東の国々の記述など興味深く読了。「帰りに指輪をいただいて秀子御きげん」という一文が可愛らしく印象に残った。
2018/11/08
Hatsumi Sakoda
戦後13年、1ドルがまだ360円だった時代。アンカレッジ経由でパリまで1日がかりだった時代にベネツィア映画祭出席という仕事はあれど、残りは自費で夫婦2人のヨーロッパの旅。人の目に触れることを考えずに書いた内容はなかなか赤裸々だったり正直だったり。出てくる人物がまた梅原龍三郎にレオナルド・フジタ、花柳章太郎、伊藤深水etc.と、豪華版。総てが「そういう時代だったんだ」と思わせるが、中でも帰りの船旅の部分が印象深い。ある意味、”そういう時代”を最も強く感じさせて今から見ると逆に新鮮だ。
2015/04/21
ニケ
松山氏病気等で1人で美食した後の、善三に食べさせたかったと言う記述多し。 岸惠子についての記述から感じるに、嫌いらしい。 靴とバッグをやたらと買う。これから読む人は、滞在中幾つ買ったか数えて見て下さい。 藤田嗣治や梅原龍三郎との親交の深さ。 借金してのお金の使い方。 公園でウンコをしたくなったなど書く、ガラッパチな面。 夫が可愛いくて仕方ない様子。
2016/10/26
あゆころ
日記が本当にそのままの形式で書きとばしやカタカナにリアルさが。中身も買ったもの、たべたもの、会った人(えらく豪華だが)、ご主人の体調、とごくごくふつうの女の人の目線。記録と感情のバランスがとれていて読んでいて楽しい。 日常を書きつける才能を感じる。
2016/09/19
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