デトロイト美術館の奇跡
デトロイト美術館の奇跡 / 感想・レビュー
starbro
原田マハは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。デトロイト美術館展とのコラボの連作短編集、ノンフィクションのような小説です。黒人の老夫婦の愛こそ奇跡的な内容かも知れません。本作中でも、美術の世界でも「マダム・セザンヌ」の評価は高いようですが、申し訳ないですが、私の好きな絵ではありません。デトロイト美術館展を鑑に行くか思案中です。
2016/11/10
まちゃ
市の財政破綻から美術品コレクション散逸と存続の危機に陥ったデトロイト美術館を救った奇跡の物語。亡き妻ジェシカとの思い出がつまったセザンヌの「画家の夫人」と、デトロイト美術館を守るためのフレッドの行動に胸が熱くなりました。 短い作品でしたが、アートの魅力が伝わってくる温かい作品でした。
2017/02/10
yoshida
コンパクトに纏り確かな感動を与えてくれる作品。実話に基づく内容が深い感動を与えてくれる。デトロイト美術館は世界レベルの収蔵作品があり、何より市民に愛されている。デトロイト市の破産により、デトロイト美術館の数々の収蔵作品が売却され債務に充当されることに。市職員の年金も積立不足があり、作品の売却もやむ無しと思われた。そこに年金で暮らす一市民の寄付から、デトロイト美術館と年金を賄う寄付運動が始り成し遂げられる。美術館を守り、直面する年金問題に取り組んだ判断、英断だと思う。デトロイト市民の気持ちに胸が熱くなった。
2017/04/08
サム・ミイラ
ズルいです原田マハ!実話を元にこんなに泣かすなんて。未曾有の財政破綻に瀕する市を救うためデトロイト美術館の作品は売却の危機に。物語はセザンヌの名画「マダム・セザンヌ」を軸に現在と過去を行き来します。そのあたりは原田マハ得意のいつものパターン。そこに半沢直樹ばりの展開とくれば二倍美味しいのは間違いありません。「けれど、あなたの気持ちが、大河の一滴となったことを、僕は決して忘れない」この言葉に全てがある。まさにその言葉通りの傑作です。薄さのわりに満足度は大!(笑)
2017/04/29
Nobu A
16年刊行。ニューヨーク、ワシントン、シカゴ、ボストンの米国4大美術館に次ぐ規模と展示内容を誇る1885年開館のデトロイト美術館が2013年にデトロイト市の財政破綻で所蔵品の売却問題に発展。それに纏わる人達の話。原田マハらしいと言えばらしいが物足りない。美術品を文化財として手放さない市民の心意気と手を差し伸べる富裕層。もっと色んなドラマがあったのではと思う。去年9月末に「楽園のカンヴァス」を読んで以来、原田マハに惚れ込み、いや作品に惚れ込み、ついに著書20冊目。いよいよ「暗幕のゲルニカ」を手に取る。
2024/02/05
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