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逡巡

逡巡

逡巡

作家
せきしろ
出版社
新潮社
発売日
2012-01-20
ISBN
9784103319214
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逡巡 / 感想・レビュー

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pino

妄想の後のオチの一文は、終わり?始まり?今までの人生はオチのために仕掛けられた、壮大な、前フリだろうか?道を横切る猫。あの身のこなしは、タダものじゃない。ナントカ企画の動物タレント部門の所属だろう。新装オープンの店の行列に並んだ時、同じ服を着ている人がいて、居心地が悪かったが、あれは仕掛け人だ。あとは、1000円の弁当で雇われたエキストラ。随分と大がかりだ。などと思い巡らし歩いていたら、いきなり背後から、膝カックンをくらった。あれは、せきしろさんに違いない。オチの一文は、始まりの終わりだ。妄想の道は続く。

2012/05/14

りんご

ショートコント詰め合わせって雰囲気。コントは登場人物の描写があり、いつ、どこで、どういうシチュエーションなのかが説明されたり匂わせたりするじゃない?それが文章で表現される。(あー、こういう書き方すると、深刻な話っぽい)とか感じるじゃない?そういうのが最後に思わぬ方向に落ちる。前振りの描写をちゃんと脳内で構成すればするほどオチが輝く。なので脳トレみたいで結構疲れたな。「任務全う」「恩返し」笑った。

2022/03/20

田氏

前回読んだ「たとえる技術」の詞藻豊かな挿話と同様、本作も目のつけどころすぎて嫉妬すら覚える。しかし、そんな妬心から生じた疑念ではないと信じたいのだが、読み進めるにつれて気になった点がある。起承転結の転と結にどうも人の死や事件性を多用するきらいがあるのだ。もちろん各ストーリーの結構は白眉なのだが、立て続けとなると、全メニューにパクチーを添えるカフェのランチのような食傷を感じてしまった。何を頼んでも味覇フレーバーな中華屋でもいい。本作は書き下ろしだが、連載などで各話にインターバルを置いて読みたかったとも思う。

2017/08/19

あんこ

どこかのつぶやきと、どこかの妄想が混合して、匿名の物語になっているかのよう。せきしろさんのルノアールが大好きで、こちらは初めて読んだけど、笑いながら読んでいたのもつかの間、あれ、これ、切ないね、ともう戻れない場所からただぼんやりと過ぎていく風景を眺めている感覚に陥った。想像力を巡らす猶予をもらったかんじ。ほんとうに、「最高に切ないし馬鹿だしカッコいい」だなあ。

2015/09/06

八百

ユーモアの源泉は歓びにあるのではなく悲しみにある。天国にはユーモアはない〜マーク・トゥエイン〜 「カキフライが無いなら来なかった」で斬れ味鋭い自由律俳句を披露してくれたせきしろ氏に興味が湧き新たな作品を読んでみた。これがなかなかそういうわけで玉石混淆下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的な創作のオンパレード、狙いは何処だ?何が言いたい?ひょっとしてシュールのつもりか?根底には神田川流れてんじゃん!などなどと言いつつも68%くらいは笑わせてもらった。そこまでしてもらって申し訳ないのだが私には鶴など助けた覚えはない

2014/09/29

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