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草原のサーカス

草原のサーカス

草原のサーカス

作家
彩瀬まる
出版社
新潮社
発売日
2021-02-25
ISBN
9784103319641
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草原のサーカス / 感想・レビュー

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starbro

彩瀬 まるは、新作中心に読んでいる作家です。実際の事件をモデルにしたせいか、タイトルと内容のギャップのせいか、良く解りませんが、あまりしっくり来ませんでした。 https://www.shinchosha.co.jp/book/331964/

2021/04/24

さてさて

『なんで、大きな会社で働く人は、自分の仕事の重要な部分を他の誰かに決めさせて、どんな指示を受けても、それに応えて当たり前だって、思うの?』と、読者にも問いかけるこの作品。それは、そんな問いかけの中に周囲との強調を重視する人生を駆け上がり転落した姉と、自分の関心があることのみに人生を賭け、まさかの展開により転落していった妹の姿を見るものでした。彩瀬さんが描く、幻想と現実を織り交ぜながら独特な世界観を浮かび上がらせるこの作品。波乱に富む人生を生きていく苦しみと辛さ、そして喜びを姉妹の生き方に感じた作品でした。

2022/02/23

しんたろー

正反対の性格だが仲が良い姉妹の物語…製薬会社勤務で大学に派遣された生真面目な姉とアクセサリーアーティストで自由奔放な妹が、成功と挫折で得た人生の意義…テーマが深いのに軽快に読めるのは筆力の高さ故…『くちなし』『森があふれる』の幻想的文学が好きなファンには違う著者に感じるかも…それは、架空バブル景気や疑似コロナ禍の世相を絡めつつ、リアルな人間関係を描いているから。とは言え、サーカスをモチーフにした心理描写や、人との距離感や生き方の指針などキレある台詞で表現し、色々と考えさせられる彩瀬さんらしい作品だと思う。

2021/05/21

ウッディ

自分のことより、他人のことを思いやれることのできる姉の依千佳、他人に左右されない自分の価値観を持っている妹の仁胡瑠、製薬業界の研究者、アクセサリー作家として、それぞれ仕事で成功するが、姉は治験データの改ざん問題で逮捕され、妹も仕事のパートナーへの付きまといで捕まる。姉から見えていた妹、妹から見えていた姉、最もあり得なさそうな事件を起こした姉妹、そこに至った過程がリアルでした。自分と違うからこそ、認め合える姉妹の仲の良さが救いで、この二人ならもう一度やり直すことができると信じられるラストがさわやかでした。

2021/07/12

いつでも母さん

あなたの正しさと私の正しさは違うの?交わったと思ったのは錯覚で、どこまでも反対を向く平行線だったなんて。人は痛い思いをしなければ気がつかない。抉るような痛みを感じてそこから新たな一歩を踏み出すのね…ドキリとしてひやりとして、その一線は見えないのに間違いなく踏み越えてイタかった。だが、笑えない見放せない。この姉妹の再生のその時に立ち会えて仄かに感動すら覚えたような気がした(それは私の錯覚だろうか?)ただ、私にはタイトルの意味が分からず一人取り残された感じがしてる。が、これも彩瀬まるの好きなところだ。

2021/03/18

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