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批評時空間

批評時空間

批評時空間

作家
佐々木敦
出版社
新潮社
発売日
2012-10-31
ISBN
9784103328919
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批評時空間 / 感想・レビュー

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Bartleby

演劇はしかたないけれど、取り上げられる映画に関してはDVDで観てから読んだ。全体として、荒川修作の死や死後の世界の存在を問う「ヒアアフター」、世界の終わりを描く「生きているものはいないのか」など、題材として死や終わりにというものが多いように感じた。自分が死ぬこと、あるいは誰かが死ぬことにまつわる出来事や感情に対してフィクションはどういう意味をもつのか、どういう表現ができるのかが問われ続けているのだと思う。

2013/05/17

しゅん

佐々木敦の原理志向もいよいよ極まった感じがあるというか、「時間とは?」「空間とは」「藝術とは?」「死とは?」といった根源的なクエスチョンがいくつも秘められた連作批評集。『ゴダール・ソシアリズム』鑑賞から導かれた「美は、藝術の敵である」という断言はとても刺激的。外部への目配せなどせず、美を含むあらゆる枠を超えようとする途方もない試みが藝術だということ。そして、表現された「なにか」の後に続かざるを得ない批評という営みも、同じような途方もなさを目指すべきだということ。強い倫理性に基づいた批評への意思表明。

2016/10/25

aoneko

句点が少なくて読みづらいけど、一つひとつの考察に奥行きがあるので読み応えはあり。映画、演劇、写真、音楽等、敢えて文学以外の芸術作品に向き合い、風景とは、来世とは、時間、空間とはといった概念にアプローチしていく様は作者のフィルタがかかっているだけに、確かに「限りなくフィクチョンに近いもの」ともとれる。批評とはあくまで副次的な存在であり、表現ではないが創造ではあり得る、よって批評は批評のままで一篇の虚構としても成立し得る、の話や「ヒア・アフター」を例にした考察になるほどなあと。

2013/02/22

バーニング

意欲的な一冊。あくまでも主眼は作品論ではなく表現論なんだということに着目して読むとより楽しめる。というのは出てくる作品はリアルタイムのものが多いし、演劇や映画など必ずしも簡単には網羅できないものが多いから。ただその分、より「現在」の在処に忠実なようにも思える。

2012/11/14

カツェ

連載中は読むのを投げ出してしまったが、まとめて読むとイケる。誠実でアクチュアル、生真面目でみっともない。曰くいいがたい装幀も中身にジャスト。私小説のようにも読める。

2014/04/02

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