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避難所

避難所

避難所

作家
垣谷美雨
出版社
新潮社
発売日
2014-12-22
ISBN
9784103333722
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避難所 / 感想・レビュー

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yoshida

東日本大震災の三陸の街。津波被害にあった人々の避難所での日々。この作品では実際に避難所であったであろう事が描かれる。役所の弾力を欠く対応。何故か上から目線のボランティア団体。そして被災者でも弱者にあたる女性達への、同じ被災者である男性達の不快な対応。集団に課す謎のルール。集団が集まれば誰かが権力を持ちたがる。その権力の濫用と男尊女卑に流石に不快になる。満州からの脱出行を連想した。恐らく緊急の事態には生まれる現象だと思う。緊急の事態には人は様々な面を見せる。主人公の女性達の未来に希望があるラストで良かった。

2018/03/11

風眠

3.11、東日本大震災。あの頃、絆、絆って、あちこちで言われていた。けれど震災後、東北では離婚が増えたという。こんな時だから「絆」を大事にしようって思うはずなのに何故か?この本を読んで、その答えが分かった。DVで苦しんでいた妻のもとには義援金は入らず、世帯主である夫にまとめて振り込まれる。助けてあげてるんだから有難く思えという上から目線のボランティア。震災前は普通だったことすら贅沢と言われ我慢を強いられる。安全であるはずの避難所でレイプや犯罪が横行する。震災から時をおいた今だからこそ描けた、避難所の現実。

2015/05/26

Yunemo

何だかつらいですね。もうすぐ4年になります。3人の女性たちの生き様が寂しすぎます。外部からの思い込みに過ぎない東北女性の我慢強さ。それでばかり苦労している人たちが見えます。今でもほんとに男ながらのこの身勝手さ、生き続けてるのでしょうか。震災でボロボロにされ、その後の露わになった家族関係でさらに痛めつけられ、ある意味絶望的。自身だったらこんな状況どう打破できるんでしょう。最終的に3家族で東京へとあるけど、著者として逃れる術をこのようにしか見出せなかったのかな。前半と後半の作風にちょっと戸惑いながら読了です。

2015/02/09

あすなろ

被災してなく、避難所の生活をしたことない方は読むべし。それが一番の感想か。煎じ詰めるに、被災してどこまで個人の尊厳が保たれるか?否、守れるか?そして、被災して解ることもある。心も病んでしまう可能性が高いということかな、語弊恐れず語れば。僕には経験ないことではあるが、TVがしきりと言ってた絆なんてものは綺麗ごとと理解出来る。仔細に避難所を描いた稀有な作品。

2015/12/28

ダイ@2019.11.2~一時休止

登録1400冊目。震災時の避難所生活を3人の主人公で描く。途中避難所でそれはダメだろうって事が起こると胸が痛む想いだった。でも最後はイイ感じになってよかった。

2016/02/29

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