KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

クローゼット

クローゼット

クローゼット

作家
千早茜
出版社
新潮社
発売日
2018-02-27
ISBN
9784103341925
amazonで購入する

クローゼット / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

「小説新潮」連載時は『ガラスのコルセット』だったものを改題したようだが、『クローゼット』よりも連載時のタイトルの方がいいような気がする。もっとも『クローゼット』は物語全体のキー・コードになっているのではあるが。プロットは芳と纏子それぞれの過去のトラウマを巧みに交錯させていくものであり、その解消へと踏み出してゆく物語である。単線的でないところが千早茜の練達の業だろう。また、18世紀あたりから現代にいたる服飾史が全体を貫流するもう一つのテーマである。これまた調査力と、物語に活かしていく力量とが発揮されている。

2024/05/01

おしゃべりメガネ

ここ最近の千早さん作品はちょっと馴染みにくい作風のモノがありましたが、本作はスッと入りやすく、千早さん独特の優雅でミステリアス、そしてホワッとさせてくれる世界観を十分に堪能させてくれました。幼い頃の'事件'を機に男性と上手く接するコトができない洋服補修士「白峰」さんと、男性だがとにかく洋服を愛している「芳」の二人が、距離をはかりながらも少しずつココロを通わせていく展開にすっかりハマりイッキ読みでした。千早さんのしっとりとした世界観は読み進めていて、安定した'読み心地'を得られるコトに十分満足できました。

2018/03/24

❁かな❁

「空気が光るときがある。それは、とても特別な時間だ。晶と二人きりでいるとき、空気は輝いた。わくわくした気持ちが結晶になって、辺りに散らばっていくように」千早さんが紡がれる文章がとても好き♡私も子供の頃、空気が光って降り注ぐのを感じていた。今でも時々その光を思い出す。18世紀以降の洋服が眠る美術館。幼い頃に心に深い傷を負った纏子、芳、晶を中心に描かれる。繊細な装飾のドレスの描写がお洒落な千早さんならではで素敵*シャネルの写真集も見たくなる♪静かに丁寧に物語は進んでいきラスト清々しい優しい気持ちになれる作品。

2018/05/08

fwhd8325

とても映像的な物語だと感じました。一つ一つの場面が実に印象的であることと、登場する人たちの個性が際立って感じます。そして、見事な時代を象徴とする服飾の数々。どの展覧会かは覚えていませんが、こうした裏方の仕事があって展覧会も、成立しているのですね。さて、物語ですが、前半、無機質な印象を強く感じましたが、服に語りかけるとあるように、柔らかい上質の布で包まれたような温もりを感じます。後半にかけては、この物語を読んでよかった充足感に浸りました。

2018/07/18

うどん

表紙のように静かで素敵でキレイなお話でした。

2018/04/04

感想・レビューをもっと見る