闇彦
闇彦 / 感想・レビュー
優希
エッセイのような小説のような不思議な文章に惹かれました。ギリシャ神話と古事記を混ぜて作り上げた新たな神話と言ってもいいでしょう。死生観や文学に対する考え方がかなり反映していると思います。幼い頃から物語が好きだった弓彦。お話が上手い人は「闇彦」の血を引いているという設定には鳥肌が立ちました。血が語る、ゾクゾクしますね。神話に詳しいからこそ描ける物語でしょう。劇的な展開はありませんが、闇彦の語り部となり、死と生を受け入れて行くこと、死者を語り継ぐことが生きる意味として物語を貫いているのだと思いました。
2015/03/28
takaC
小説なんだろうか、自叙伝なんだろうか?不思議な話。結構好み。面白かった。
2013/12/31
にし
海彦山彦(古事記に出てくる神武天皇のご先祖様)にもう一人の兄弟が居たのは知っていたのですが・・。ギリシャ神話と古事記を絡めて新キャラを仕立てるとは。神話に精通されている阿刀田先生ならではの物語。死後も生き続けるって、その人を思い出す事なんですね。「思い出している時は生きている」ちょっと解ります。
2013/10/04
itica
ギリシャ神話、日本神話をモチーフに自伝的要素を軸として描かれた小説。黄泉の国の番人「闇彦」がキーワードとなり人間の「死」に対する漠然とした恐れや興味に迫ってゆく。死者を語ることが阿刀田さんの生きる意味でもあるのだろうか。「闇彦」が阿刀田さんの後ろに見え隠れする。しかし理解するには、私はあまりにもギリシャ神話に疎すぎた。それが残念。
2010/08/27
ほうき星
ギリシャ神話が出てくる。作者はギリシャ神話についても著書があります。そちらを読んでからの方がより分かりやすかったかな~!実は、阿刀田作品は初めて。読みやすい文だったので、他のもチャレンジしてみよう。
2014/07/10
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