地下水路の夜
地下水路の夜 / 感想・レビュー
KAZOO
久しぶりの短編集です。12作入っていて1年間にわたり雑誌に連載したものです。やはりお年を召されたのか昔に比べるとドキドキ感やわくわく感がどうもあまり作品に感じられなくなって、やんわりした感じになってきました(私も年を取ったせいかもしれませんが)。まあそれでもうまさはあって読ませてくれます。「朗読者」は奥様が朗読をしている関係からもこの本の中では少し違う感じがして、私は「耳なし抱一」の話を思い出しました。
2016/01/15
優希
豊饒な奇譚集という感じの短編集でした。特にこれといったテーマはなく、盛り上がりに欠けるような、夢か現かも曖昧な世界が広がっていました。昔の作品と比較し、鋭さはなくなってきたけれど、独特の雰囲気と阿刀田節は健在です。淡々と話は進むのに、不思議な余韻を残し、話の続きを想像させるような感じで、ちょっと不思議な空気が漂っていました。とりとめのなさや思わせぶりさをサラリと奇妙に仕上げた絶妙さを感じずにはいられません。
2015/06/24
takaC
連載『絵のない肖像』改題。不思議世界との境界はどこにでもあるということだな。
2015/06/24
さら
短編集。最後に何かを残してくれるのが阿刀田作品。それが、もやもやだったり、ゾッだったり、あれ?だったり。正直、初期の頃のキレのある短編ではないけれど、それなりに味があります。『薬指の秘密』『言葉の力』が印象的。でも一番忘れないのは『朗読者』。ゾッとしました。
2015/06/01
HiroshiKzk
どれもうまい。深く面白い。短編集だからさらっと読める。不思議で奇妙な話もそれぞれ楽しめて読後感はいい。僕にとってはリズム感のあっている作家さん。
2015/09/26
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