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完黙の女

完黙の女

完黙の女

作家
前川裕
出版社
新潮社
発売日
2023-05-17
ISBN
9784103351955
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完黙の女 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

これはフィクション。「検察側、完黙 崩せず」この帯に釣られたが、いっそのことラストはスッキリさせて欲しかった(違うから怖い)子どもが行方不明とか、誘拐とか、今も失踪事件があるのは辛く痛ましい。捜査の難しさを露呈とか、言葉では簡単に言うけれど、聞き込みって難しいだろうな。人間の記憶の不確かさ、長い時間を経て思い出すことってどれほどある?主観もはいるよね。そんなことを思ったが、もっと強く思ったのは容疑者とされた『女』のタフさだ。黙して語らずを通すって(攪乱にしてやられる)凄い精神力だと‥何故か私が敗北感。

2023/06/12

ma-bo

1984年に札幌市豊平区で起きた男児失踪死亡事件と1991年に千葉市で起きた女子中学生誘拐事件という未解決事件を事実関係は極力そのままにミステリー要素も加味した物語として再構成した小説(ノンフィクションノベル)との事。札幌の男児失踪死亡事件は結構有名で限りなく疑わしいが、無罪になってましたね。黙秘をつき通しまさに完黙の女。事件について書く事になった作家が調べる内に後に起こった女子中学生誘拐事件との接点、関係性に気づきという内容。最後がもやっとした締め方。女性はなぜ否認ではなく沈黙を選んだのかは示されたかな

2023/12/08

itica

自供もなく殺害の確たる証拠もなく無罪となった女。その事件を執筆する作家が多方面に取材を試みる、と言うもの。まるでルポタージュのようだと思ったが、モデルとなる事件が実際に起こっていた。まさに事実は小説より奇なりだ。それでもここでは新しい展開を期待したが、何ともすっきりせず肩透かしを食らった気分。不完全燃焼な事件、さぞや警察関係者は忸怩たる思いであったろう。

2023/07/10

まこみや

何年振りのことだろう、徹夜して読んでしまったのは。圧倒的なreadabilityだ。原因は二つ。①二つの行方不明事件が実際に同じ場所で起きたという設定にある。読み手は二つの事件の関連と真相の解明への欲求を止めることができない。②主人公の被疑者の女のキャラが際立ってエグく存在感がありながら、その確信的な行動が極めて不信で不明な点である。しかもその女が最後の場面まで姿を現さないのは宮部みゆきの『火車』に似て、読み手の想像を掻き立てずにはおかない。かくてノンフィクション・ノヴェルという企ては見事に成功している。

2023/08/25

ナミのママ

なんとも不思議な読後、最後まで謎なのだ。雨の日の昼間に小学4年の少年が忽然と姿を消す。15年後の時効目前に逮捕された女性は取り調べで黙秘を貫いたため、判決は無罪となる。作家の主人公が、ノンフィクション・ノヴェルを書くためにこの事件を追いかけていくストーリー。取材を重ねるうちに扉が開くようでいて、人は嘘をつく。…1984年札幌市の城丸君事件・1991年千葉市中一少女誘拐事件をベースにした作品とのこと。雑談であっても一度、出た言葉は消せない。職場もご近所も習い事でも、聞いているのが一番かな。

2023/06/18

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