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徴産制

徴産制

徴産制

作家
田中兆子
出版社
新潮社
発売日
2018-03-22
ISBN
9784103353522
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徴産制 / 感想・レビュー

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❁かな❁

田中兆子さんの作品を読むのは3作目。新型インフルエンザの流行で10代〜20代の女性が85%亡くなり、18歳〜30歳までの男性は2年間の性転換を義務付け出産することを奨励する「徴産制」を執行する近未来の日本が舞台。すごい設定だなぁと思い読み始めたけどとても具体的でリアル。そんなことがあったりしてって思うような説得力。性転換をした男性5名のケースが描かれる。それぞれの立場、思いがあり辛い現実に苦しくなる。でもまさに現在、女性がそんな思いをしている場合もあり女性の生き辛さを感じた。「ハルトの場合」が良かった。

2018/05/23

🐾Yoko Omoto🐾

新型インフルエンザが若い女性たちの命を奪い、出産の担い手が激減した100年後の日本。医学の進歩により性転換が容易になったことから、政府は人口の減少阻止の為、徴兵ならぬ徴産を若い男性に課す法を制定した。社会における女性ゆえの苦労や不利益、マイノリティへの蔑視などに対し、人として生きていくことにジェンダーという垣根はナンセンスだと、相互理解の重要性を説かれたような読後感だ。流石に出産が出来たり、自由に何度も性別を変えられたりという性転換に現実味は無いが、100年後の日本の姿には一笑に付せない描写が➡(続)

2018/08/14

ケンイチミズバ

祖母エリカ、母ティアラ。キラキラネームが高齢化した近未来。ショウマは召集令状が来る前に志願することにした。「オレ、女になるよ」アイドルの死で引き籠り、海外旅行はおろかトウキョウも知らない28歳童貞、真性包茎の彼の場合は奨励金で貧しい家族を助けたかった。人口減少による国家存亡の危機、シリアスな状況なのに、何が何でも人生を変えたいならなりふり構わず自分から動かないとダメなんだ。えっ!そこがテーマ?男が妊娠を経験することで新しい自分を見つける。なんと清々しい!そしてショウマはデカドブス女になった。笑撃の連続。

2018/04/09

あも

また凄い小説に出会ってしまった。伝染病で女性人口が激減した100年先の日本。対策は徴産制の施行。若年男性が期間限定で性転換し、子を産む。そんな突飛な設定ながらこれは確かに今ココと地続きの世界だ。リアリティを産むのは設定ではなく人。産役男と呼ばれる男性達の苦しみは、容姿による差別、不妊、性的搾取など現実の女性と変わりはしない。男らしさ女らしさを否定はしないが、枠にはめる事の愚かさよ。ジェンダーとは?という問いを強烈に突きつけてくるが、物語としてもしっかり面白い。女性は勿論、多くの男性に是非読んで欲しい1冊。

2018/06/20

なゆ

2093年の日本で施行され義務化される「徴産制」。なんと、新型インフルエンザの流行で激減した若い女性の代わりに、若い男性が性転換し2年間女になり出産してもらう?!兵役ならぬ産役に、志願したり渋々従ったりする五人の男たち。じつは男が妊娠出産できるようになる話はいくつか読んだ事あるので、あ〜またか〜と思ったが、いやいやそのパターンも様々で面白かった!彼ら産役男が、女として、あるいは奇異な存在としてさらされる様々な視線。性奴隷の話や日本の置かれた状況もなかなか意味深。ただ面白いだけじゃないとこが素敵な兆子さん。

2020/03/14

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