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黙約のメス

黙約のメス

黙約のメス

作家
本城雅人
出版社
新潮社
発売日
2021-10-29
ISBN
9784103360544
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黙約のメス / 感想・レビュー

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starbro

本城 雅人は、新作中心に読んでいる作家です。本書は著者初?の臓器移植医療ミステリ、色々と謎を残した割に唐突な終わり方は、続編含みでしょうか? https://www.shinchosha.co.jp/book/336054/

2022/01/29

いつでも母さん

研修医、看護師、ジャーナリスト、病院長、外科部長、厚労省医系技官、病院経営者、移植コーディネーターのそれぞれの章から、四国にあるメディカルセンターの鬼塚第二外科部長の輪郭が浮かび上がる。元妻も登場するが、鬼塚本人の章は無いのが残念。脳死移植・・日本では特に現実は厳しいよね。だから生体肝移植に縋ってしまう。それだって葛藤はあるだろう。鬼塚の真摯な姿があるからなお、このジャーナリストと厚労省の技官の私怨にはげんなりする。鬼塚医師の続きが読みたい。ガンバレ、鬼塚!

2022/04/22

モルク

記者ものの作品が多い本城氏の珍しい医療もの。肝胆膵の手術の敏腕医師鬼塚を迎えた四国にある潮メディカルセンター。移植にかかわる問題(脳死、生肝胆双方)が浮き彫りとなる。鬼塚の周辺にいる人々、研修医、看護師、病院長、医師、病院経営者、移植コーディネーター…様々な目で描かれる。脳死移植への道がなかなか進まないなか、移植を待っている多くの患者、家族。冷酷な印象を受ける鬼塚だが、患者、家族の希望に添いたいと真摯に向かう彼の姿は好感を持てる。

2024/07/14

タイ子

四国のとある県の潮メディカルセンターが舞台。主人公は肝臓、胆道、すい臓のエキスパートの医者・鬼塚。物語はその病院関係者、医療ジャーナリスト、厚労省医系技官たちが鬼塚医師に対しての思惑、疑念を短編的に描いていく。鬼塚が目指す脳死移植は日本では手術例も外国に比べるとほど遠く、生体移植に頼ってしまう現実。そんなジレンマの中で患者のために一つの祈りを胸にメスを握る鬼塚。ただ、鬼塚という真の姿が終盤まで描かれないので彼を知りたいがために頁をめくっていく感じ。後半で全てが明かされる時、医師としての矜持に感動。

2022/04/02

ゆみねこ

日本の移植医療に鋭く切り込んだ1作。肝胆膵の手術の第一人者・鬼塚はこの物語の主役なのだが、彼を巡る後期研修医・手術室の器械出し看護師・医療ジャーナリスト・病院長や外科医長・厚労省医系技官・病院経営者・移植コーディネーターの話が。生体移植か脳死移植か、臓器売買疑惑、法案成立に拘る技官、友人の術中死で鬼塚に恨みを持つ男など読み応えは満点。しかし鬼塚自身の物語をもっと読みたかった。

2022/04/17

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