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イノセント・デイズ

イノセント・デイズ

イノセント・デイズ

作家
早見和真
出版社
新潮社
発売日
2014-08-22
ISBN
9784103361510
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イノセント・デイズ / 感想・レビュー

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Yunemo

なんだかやりきれない気持ちのまま読了。生きたいという微かな衝動を、死にたいという強い願いで封じ込める。本当に必要としてくれる人に見捨てられるのが恐い。実在の場で、こんな思いを貫き通す人間っているんでしょうか。感情の奥底では誰しも相応に持つ意識でしょうが、自身にはとてもとても貫き通せない。これだけは確信。死刑という制度、冤罪を生む土壌、報道という名の真実隠ぺい・世論誘導化等々、なんだか自身へ深い問題提起をされてるような。人生上、狂わされた歯車を正常に戻す機能はどこにあるんでしょう。まだ30歳なのに。

2014/10/04

青乃108号

また、死刑判決絡みの本。意識して選んだ訳ではなく、たまたま続いただけなのだが。読んでいる間、没頭し過ぎてしまい気が付いたら俺の休日の1日が終わってしまっていた。ひりひりする程辛い物語だった。被告の生い立ちから現在までが時代毎、異なる人物の視点で描かれ、その全てに救いのない展開に打ちのめされる。終盤、微かな望みをかけて、祈るように、最後の数ページを捲るのが怖かった。長いこと生きてきたが、本を読んでこの様な感覚は初めて味わった。被告田中幸乃を心から愛しく思う。人生最後にもう一度読むのはこの本かも知れない。

2021/10/09

mmts(マミタス)

何故に見ず知らずの犯人のために、わざわざ死刑になる道筋を選択するのかしら。よっぽど死にたかったんでしょうね。そんな気持ちに向き合えない友人の気持ちは分かりますが、さすがに早急に説得するべきだったような。真犯人のお祖母ちゃん、あんなに宗教熱心ならば、いかに死ぬ必要のない人間が死刑になれば、どれほど神に背くことなのか分かるような。そりゃあ、誰だって佐渡山さんみたいにわざと発作を起こすでしょうね。この時に根性を見せる幸乃が切ないよ。小説とは言えどショックでした。

2015/06/25

takaC

この国の司法はそこまで無様なのか。現実はまるでこの通りなのかもしれない。捉え方によっては無理矢理ハッピーエンドと思い込むことができなくもない書き方をしているところに少々フィクション感あり。

2015/02/12

🐾Yoko Omoto🐾

早見作品初読み。物語は主人公の田中幸乃の死刑判決から始まり、何故求刑されるまでに至ったのかが、彼女の人生に関わった人物たちの現在と、過去の回想によって綴られる。常に風評によって形成されてきた彼女の人生、ただ誰かから必要とされたいだけの思いに報いてくれない周囲の人々。「薄幸」という言葉が頭を掠める。苛立ちと興味で、読むスピードが上がるようなストーリーではあったが、幸乃が今まで選択してきた道、彼女の人生に登場した人物たちの、身勝手な保身やどこかズレた正義感、その全てにまるで共感できるところがなかった。

2016/09/14

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