島津戦記
島津戦記 / 感想・レビュー
なゆ
島津四兄弟の話が好きなので読んでみたのですが…。なにしろ予想外に壮大なスケールで、びっくり。確かに、超進化型戦国巨編ですな。なぜか本能寺の変から話が始まったと思ったら、キリスト教だけでなくイスラームの姫にユダヤの賢者に、後半の銀…。世界史も大きく関わる内容のようで、さらには不思議な術も使ったりと、私の意識は漂流してしまいました。けれど、四兄弟それぞれの使命感や働きに関してはとても面白く、意外な織田信長と長益兄弟や光秀など、こんな描き方もあるんだ、と楽しめる部分も。いつかまた歴史に自信がついたら再読します。
2015/05/11
キキハル
どこまでが史実でどこからが想像なのか、日本史に詳しくないので判断できないのが悔しかった。島津四兄弟を中心に据え、織田・明智を傍らに配し、銀や銃の流布とともに、キリシタン・ユダヤ・イスラムの関係性を描いた歴史物語。長い歴史において表舞台に浮かぶのは一瞬のこと。とはいえ、四兄弟がそれぞれ好もしく、彼らのその後の物語をもっと読みたかった。久しぶりの新城さんだったが、こんな引き出しも持ってらっしゃるんだと今後も楽しみだ。
2015/01/24
mayu
島津当主の目は世界に向いている。孫の世代に当たる島津四兄弟は祖父が目指した世の中を胸に、諸国入り乱れる戦国の世と対峙する。前篇は冒頭の少年時代の冒険譚に始まり、異国の姫との交流や、南蛮商人の不穏な動きがファンタジー的な雰囲気。トンデモ時代劇なのかと思ったら一転して後篇。今までにない織田信長像、光秀の暗躍。陰謀渦巻く戦国時代劇。その中にあって島津四兄弟の関係が清涼剤のように澄んだ空気を呼ぶ。義弘、何て気持ちのいい武将なんだ。祖父の掲げた「天下静謐」の旗の下、この兄弟は世界をどう渡っていくのだろうか。
2014/11/17
Mzo
島津四兄弟を軸に戦国時代を描いた歴史小説。世界史(それも経済史)をストーリーに持ち込んでおり、「その視点はなかった」と唸らされました。他にも歴史小説としては目新しいアイテムを幾つも登場させるなど、この著者、風呂敷を広げるのはなかなか上手ですね。いろんなジャンルの小説を書いているようなので、もう何作かは読んでみようと思います。
2015/01/15
サケ太
正しく蒙が啓かれた。戦国時代島津家の三男坊、又六郎の視点から始まる。島津家の宿願。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教。大明国。銀。世界的な、今までになかった巨視的な視点で描かれる戦国時代は非常に面白い。次から次へと何がやってくるのか予想外の連続。驚かされる事ばかりである。兄弟の絆。歴史の影に潜むもの。戦国時代はもっと多角的にも見れる。様々な人物の視点は面白いのだけど、欲を言うならば一つの人物の視点をずっと追って行きたかったと思った。
2017/02/28
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