かぜまち美術館の謎便り
かぜまち美術館の謎便り / 感想・レビュー
とし
かぜまち美術館の謎便り、森晶麿さん初読みです。18年前に亡くなったヒカリが残した絵を、学芸員の佐久間さんと園児の娘かえでちゃん父娘が謎解きをする、かえでちゃん天真爛漫で可愛くて良いですね、お父さん料理ができて、子育てが上手ですね、爽やかな作品でした。
2015/04/14
しのぶ
絵画系ミステリー。過疎化する小さな町の時間がゆっくりと流れる中で18年前の事件に関連する絵葉書が関係者に届く。有名な画家達の名画が作中にいくつも書かれるので版権が厳しいだろうが挿絵として欲しい。子供の思考と言動が無邪気だが話全体としては何とも切ない気分にさせる。
2017/07/04
Mumiu
地方の町の美術館(町の大きさを思うと美術館があること自体驚き)に、館長としてやってきたカリスマ学芸員佐久間とその娘。町で生まれ、保育園で働くカホリ。亡くなったカホリの兄ヒカリの遺した絵に興味をもった佐久間は、カホリの「願い」を叶えるという。ピカソ、シャガール、ミレー・・・、美術の教科書でもおなじみの作家の作品のオマージュでもあるヒカリの作品たち。絵を検索しながらも美術展に行きたいなあと思ってしまう。さすがカリスマ!彼の真の目的は読者を美術館に連れて行くことかしら⁉︎
2014/12/16
すい
本格的に森さんのことが好きみたいだと実感した本作は、田舎町の美術館に赴任してきた学芸員の佐久間が、町をモチーフに描かれた絵に纏わる事件の謎を解いていく連作短編集。そこに18年前に失踪した郵便配達員のミツバチと、その1週間後に急死した画家のヒカリが絡んでくるのだが、表紙ほど可愛い話ではない。隠された大きな陰謀は暗い過去へと繋がっていく。もちろん18年前の謎にも驚いたが、その後の大どんでん返しにはギョッとした。ラスト8ページはいらないなぁと思った私は、きっと自分が思っているよりずっと、ロマンチストに違いない。
2015/01/19
のいじぃ
読了。時代に流される前の小さな町で掘り起こされる過去と絡まった糸を絵画を元に解いていく物語。海外小説や童話から絵画へ。小さな子の視点は夢見がちで最後まで馴染めませんでした。また、カリスマ学芸員という肩書きが必要なのか疑問な上に、黒猫と仕草の似ているスマートな彼に少々鼻白むものが残りました。叙述にも満たない思わせぶりな事実は過去作からも早々に予想がつき、他作者の「異人館〜」もそうですが、絵画を題材にするのならば参考図は欲しいです。知識も食の描写も具体的すぎて自然に読めず繊細なようでいて無粋さをも感じる一冊。
2015/11/05
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