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眩

作家
朝井まかて
出版社
新潮社
発売日
2016-03-22
ISBN
9784103399711
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眩 / 感想・レビュー

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yoshida

葛飾北斎の娘である、お栄の生涯。先日のドラマが良くて原作を手にとりました。絵を描くことが好きで、偉大な父を見ながら、何かを目指すお栄。父である北斎を慕う浮世絵師であり、戯作者である善次郎。互いに目指す高みに昇れないが、お互いを認めて惹かれ合う二人。粋な江戸弁が印象に残る。滝沢馬琴の叱咤で卒中から、必死に復活し作品を残す北斎の生命力。善次郎の妹達の淡い美しさ。やがて訪れる、お栄と善次郎の別離。装画の「吉原格子先之図」に見とれる。耽美な美しさと、必死に毎日を生きる力強さ、切ない哀切が読ませる。一気読みの力作。

2017/10/08

takaC

NHKドラマを見る前に読めばよかった。とは思ったけど、北斎以外の配役が全く記憶に残っておらず、栄を演じていたのは誰だったか妻に尋ねたほど。見たのはわりと最近だったはずなのに・・・

2017/11/06

hiro

先に読んだ朝井さんの『阿蘭陀西鶴』は、盲目の娘を通して天才作家西鶴と、江戸時代前半大坂の活気にある町人の生活を知ることができた。一方、こちらは天才絵師北斎の娘、葛飾応為(お栄)が主人公。この勝気な性格のお栄は、父と同じ絵師の道を進む。舞台は黒船が襲来し災害も多い江戸時代末期の江戸。兄弟子善次郎との恋、そして放蕩な甥に悩まされるが、父のあとを追いかけ、さらに自分の世界を作っていくお栄の生涯がいきいきと描かれていて、中盤からの200頁は一気に読んだ。またこのような江戸時代の天才を描いた朝井作品を期待する。

2016/05/08

ハイランド

江戸の旅人杉浦日向子が逝き早や十年余。傑作「百日紅」の続編を読むことは叶わぬ私達に、葛飾お栄のその後を読む機会が与えられたことにまず感謝。余りに偉大な絵師を父に持ち、独自の絵を創造したお栄の後半生はほろ苦いものだった。北斎の老いと衰え、身内による不幸を淡々と描き、同時に絵師として独自の世界を追求するお栄。筆一本あれば生きていけるという気概はありながらも、煩わしい世事に時にうちひしがれるお栄の等身大を描き切った作者の力量もまた見事。葛飾応為作と特定される絵はわずか十数点。もっと残して欲しかったと心から思う。

2016/08/14

ケンケン

(474冊目)初・朝井まかて作品。これは、読み応えあって面白かった~オススメ本!! お栄さん・北斎らの絵に対する思い・こだわり・苦悩が活き活きと描かれている上に、語り口がエエな♪ 色をつくる過程など日常の事柄も、興味深く読むことが出来た。 登場する作品の数々を見てみたくなる事、請け合いだな(^^) 映画『百日紅』の影響で、脳内音声がお栄さん=杏さんでした(^^ゞ 歯切れのよい口調がピッタリなんだもの…

2016/06/19

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