ニセモノの妻
ニセモノの妻 / 感想・レビュー
ケイ
短編4つ。『となり町戦争』を読んだ時より、さらに不穏な、心の奥をざわざわとさせる何か。不協和音があちこちから、音の高さも様々に、少しずつ聞こえてきているような、落ち着かない不快さがある。どの短編からも聞こえてくる。苦手だ。嫌いとか好きでないとかでなく、この不快感は苦手だ。
2017/01/15
Mumiu
三崎亜記は短編もすきだ。なんだこの設定は⁈に出会いたくて読む。ピンポンダッシュされてたかのように、えっ⁈と終わってしまうところも嫌いじゃない。「終の筈の住処」と「坂」では思い込みと先入観に囚われるな自分と感じ、「ニセモノの妻」と「断層」は大事な人を喪う切なさを感じた。わかっている上での妻への「おやすみ」。これ、ほんとにくるなあ。もっとやさしくならなくちゃね。
2016/06/29
あん
世にも奇妙な物語のような、読み手を摩訶不思議な世界に連れて行ってくれる4編の短編集。考えつかないよう題材を小説にしてしまう、三崎亜記さんの着眼点には脱帽です。ネタバレ出来ませんが、表題作である『ニセモノの妻』と『断層』が特に面白かったです。
2016/07/07
itoko♪
何とも摩訶不思議な世界観で、ジャンル訳出来ない作品。表題作『ニセモノの妻』姿形や過去の思い出まで記憶しているニセモノとホンモノを、果たして誰が見分けることが出来るのか?協力者の男の口調が、時代劇がかっていて面白かった。『坂』は、発想がユニーク。趣味にハマる人々特有のマニアックさを、見事に人生や夫婦関係に絡ませていて秀逸。三崎さんの作品はハマるとクセになりそうな気がする。
2016/06/23
taiko
非現実的な世界の4組の夫婦の話。・購入した分譲マンションで他の住人と会えない夫婦・「私はニセモノかもしれない」と言うニセモノの妻と本物を探す夫・妻を含んだ謎の団体に、家の前の坂道を占拠された夫・断層の向こう側に行ってしまった妻との残り少ない時間を過ごす夫…どれも不思議な話。あり得ない世界のストーリーですが、そういうものと思って読むと面白いです。
2016/07/18
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