ぼくがいま、死について思うこと
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ぼくがいま、死について思うこと / 感想・レビュー
あすなろ
かつて愛読した椎名誠氏の69歳時の死についての随筆集。死を何処までいつ身近に感じられるかは人それぞれだと思う。氏の場合は早死の刷り込みあり、がむしゃらに仕事してきたが近年解放され、真面目に死について考えたという。火葬・鳥葬・風葬・水葬を逡巡する。両墓制等歴史も逡巡する。孫にはじいじは死なないと応える。結論はあまりない。最後には、自死や死の選択・尊厳死等に迄逡巡する。ここまで逡巡という言葉を多用したが、氏も逡巡されている様である。氏にも誰にも死というものは永遠のテーマであり、その通りなのだと思うのである。
2019/02/25
chimako
シーナとはひとまわり以上違うが、自分の死について考えるのに早過ぎることはない年になってきた。これでもか、これでもかと世界中の葬儀と死者の葬り方が書かれている。アンデスの鳥葬は衝撃だった。モンゴルの風葬、インドの水葬、ポリネシアなどの舟葬。どうやって送るのかは、慣習にも左右される。自分がいかに送られたいのかは個人的なこと。しかし世間的な柵もあって故人の思い通りには行かないこともあるだろう。我が家は新家なので先祖代々のお墓には入らない。出来れば実家のお墓にも少し分骨して欲しいと思った。
2015/09/01
kinkin
死にまつわる話の数々。身近な死、世界の葬儀について、日本の葬式にかかる金額の高さや友人の死など。「死」というのは生きている以上は必ずやってくるもの。ということを普段生きているときはほとんど考えることはない、そして病気や怪我などで自分の「死」を強く意識する場面はどこかで遭うことになる。また鳥葬や火葬、水葬など葬儀の違いなどその国それぞれの自然環境の違いが「異文化」の基礎をなしているという言葉がいいと思う。図書館本
2015/05/04
Shoji
椎名誠さん流の死生観を綴っている。 その死生観が最も色濃く書かれていたのは「あとがき」である。かなり本音が出ていると思われた。 さて、簡単に死生観と言うが、民俗学や宗教学、本人の生き様、価値観、さらには財力まで複雑に絡み合ってくる。 簡単に語れるものではない。死について一つだけいえる確かなことがある。「人は必ず死ぬ」。 誰もが安らかに眠るように死ねる、そんな社会であって欲しい。
2016/05/06
まーちゃん
日本を訪れる外国人の多くが、この国の墓地を見てその不思議な形状と数の多さにあれは何かと尋ねるという。そこから始まる世界各国の死の弔い方と亡骸の葬り方。世界を旅した椎名さんが見聞した鳥葬、風葬、水葬、土葬、火葬等が語られる。一部の仏教式の葬儀と埋葬しか知らなかったので、異なる死生観や死に纏わる諸々の扱い方に大変驚いた。/落ち着かぬ心を鎮めてくれる言葉を求め、死に関する本を読み続けているけど、なかなか思うものには出会えない。残念。
2014/07/21
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