泡亭の一夜
泡亭の一夜 / 感想・レビュー
ばりぼー
新作落語+戦中戦後の回想エッセイ+奇術のネタなど、氏の多才ぶりを証明する粋な作品集。三つの願いを叶えてくれる神様に「最後の願いを三つに増やしておくんなさい」と言って手玉に取る『大黒漬け』、富札に当たって急死した清六の千両を手に入れようとして代わりに棺桶に入れられる『千両弔い』、遊女が腕に「さま命」の彫物をして、名前だけを書き替えて複数の男を手玉に取る『さま命』などの落語が印象的。落語には活字だけではわからない話芸の妙味があるので、それが味わえないことだけが残念といえば残念ですが、十分に楽しめました。
2017/11/27
ぽっぽママ
再読。今は使わない、聞かない言葉が沢山。消えてっちゃうんだろうなとアンニュイ。
2017/01/18
しんこい
新作落語の作品集かと思っていたら、中途に集団疎開や戦後のバラック生活、寄席通いを描いたエッセイあり、手品の指南ありとさすがの趣向盛りだくさん。最後の江戸の若旦那の粋というかひねくれというか、花魁にふられて本当の心に初めて触れたと感じる複雑な人間味も好きです。
2014/01/29
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