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漂流

漂流

漂流

作家
角幡唯介
出版社
新潮社
発売日
2016-08-26
ISBN
9784103502319
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漂流 / 感想・レビュー

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Willie the Wildcat

事故の主人公が、何と2度目の遭難中!?そんな奇遇な環境下、聞き取り調査などに最善を尽くし、漂流事件のみならず沖縄漁業界の歴史も深掘り。先の大戦の痛手を逆手に取るかのような佐良浜漁師の逞しくも、寂しい生き様が印象的。無言の『失格者の烙印』は、実氏の本音だったと推察。一方、主題となると、如何せん主人公が不在であり、加えて1回目の漂流原因が原因のため、どうにも読む前に期待していた緊迫感・高揚感に欠けてしまった感。なお、救命筏の残骸を渡された登美子氏の戸惑いが象徴的。期待と現実の狭間の苦悩。

2020/03/17

おかむら

沖縄の漁師のノンフィクション。フィリピン沖で漂流し奇跡的に助かったマグロ漁師のその後は? 導入部分からガッチリ掴まれた。海と共に暮らす男たちの豪快感と刹那感。沖縄の遠洋漁業史も面白い。著者も実際にマグロ漁船に乗りこみます。仲間由紀恵のお祖父さんも出てきます。

2016/12/10

トムトム

長くて読むのが苦痛な時も。北極を一人で旅した事もある角幡さん。生死を考える究極の場は海での漂流であろう。ということで、1か月漂流したすえに奇跡的に救助されたとある漁師さんの人生を追おうと思ったら、その漁師さんは10年前にまたもや海で遭難、行方不明に!同じ話だったり文章がダラダラっとしていたり、頑張って読み終えた私はエライ。角幡さん、自分で冒険しなくなっちゃったのかしら。

2021/08/18

デビっちん

37日間も太平洋上で漂流して生還したってだけでも凄いと感じたんですが、この人は8年後に自らもう一度海に出て漂流したのには驚きました。死と隣り合わせの漂流中はどんな心境なのか、そしてなぜ再度海に入ることになったのかを追ったルポルタージュでした。その過程で明らかにされた沖縄の離島にある佐良浜という漁師街の環境、死が身近となったダイナマイト漁、それらをすることで得られた大金とその使い方から、陸上とはかけ離れた世界を知ることができました。海に長年出ていると、それは仕事ではなく生き様や人格になってしまうんですね。

2017/05/18

kotte

徹底的な取材に基づいたノンフィクションです。一人の漁師の漂流物語かと思いきや、その漁師の出身地における漁業の成り立ちやその後の歴史、その地域に生きた漁師の人生や人生観などを描いた本です。漂流の話は少ししかなく、肩透かしをされたせいか、私には若干読みにくい内容だったように思えます。ただ、沖縄の佐良浜地方出身者の漁師としての軌跡を丹念に追いかけて、地域に残る漁業史の内容に新しい資料を加えることができたため、資料的価値が高い本だと思います

2017/01/24

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