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絶滅危惧職、講談師を生きる

絶滅危惧職、講談師を生きる

絶滅危惧職、講談師を生きる

作家
神田松之丞
杉江松恋
出版社
新潮社
発売日
2017-10-31
ISBN
9784103512912
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絶滅危惧職、講談師を生きる / 感想・レビュー

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ケイ

松之丞さんに抱いていた違和感とか、講談を聴いている時に感じるしんどさのもとを、読んでわかったような気がする。これを読み終えたいま、もう独演会は行くのはやめようかなと思ってしまっている。寄席で聴くのがちょうどいい気がするのだ。師匠と成金メンバーに感謝しなきゃいけないですよ、ほんと。講談は好きだけど。

2018/11/12

mayumi225

神田松之丞という講談師をご存知でしょうか。私は何年か前の「渋谷らくご」で初めて彼の芸を見て、息を呑みました。彼が生み出す緩急もすごいのですが、何より狂気ですよね。彼は奥底になんだかとてつもない狂気を秘めていて、それが話している彼の目にちらっちらっと宿るわけです。その圧倒的な色気…!さて、今回の本では、そのルーツが少し分かって興味深かったです。いまやチケットが取れない雲の上の人になってしまいましたが、この度、棚ぼた的お誘いを受けて3月の独演会に行けることに。これはもう万難を排します。万障をも繰り合わせます!

2019/02/11

fwhd8325

まだ、高座を見たことはありませんが、ラジオでの語りは、ここ最近なかったシニカルな魅力を感じています。講談といえば子どもの頃に田辺一鶴師匠の「東京オリンピック」にすごく感動した覚えがあります。その後、なかなか、講談そのものに接する機会はありません。ラジオでも、松之丞さんは、講談界への危機を語っているように、この著書でもその危機感が根底にあります。尖っているということでなく、自ら選んで身を置いた世界に、この若者は狂気に近い情熱を持っているようです。まだ、名人誕生の過程に間に合うのだと思います。

2017/12/10

姉勤

講談、講談師。普段生活していたら馴染みない旧い世界。そのマイナーな世界で売出し中の若き駿傑、神田松之丞。彼の高座を聴いたのは数えるほど。それも講談の会ではなく、寄席か、落語会のゲストの時に。印象は熱い、そして疲れる。それはともかく、本書をインタビュー番組とするなら、ナレーション兼、解説兼、プロデューサーの松恋(まつこい)氏の手腕により、松之丞の来し方と講談への思い、師匠への想いが伝わり、伝統と現代という図らずも故立川談志への憶いにも通じる。ありがちだが、当人より師匠の神田松鯉(しょうり)先生に興味が沸々。

2017/12/17

ぐうぐう

現在、もっともチケットの取れない講談師と言われる神田松之丞。もちろん、一夜にしてそうなったわけではない。講談界において、突然変異のような存在の松之丞が、いかにそうなったかを、杉江松恋を聞き手にして解き明かす。講談師・松之丞を構成するに、大きな影響を与えた出来事が三つある。ひとつは、松之丞9歳のときに父を亡くしたこと。ひとつは、大学生のときに立川談志の落語と出会ったこと。そして最後のひとつは、講談界に入る際に神田松鯉に弟子入りしたこと。(つづく)

2019/04/04

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