哀歌は流れる
哀歌は流れる / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
6編から成る小説集。仲良しのいとこ同士の意外な恋の行方、高校教師と拒食症の教え子、ヤクザの兄を思いやる妹、苦しみをかてに生きる狂気の画家、同国人を脅す役を強いられる不法就労者の悲哀など、物語の内容は異なるが愛憎が産む様々なドラマを描いてその底に人生の哀愁を滲ませる。各編の傍役が次編では主役として登場する趣向で目に見えぬつながりを持って輪舞する趣向もしゃれている。雑誌社に勤める美和子が異性として意識しはじめたのは英会話教室の講師で痩せていて頼りなげな青年、大道治だった
1991/03/31
Nori
一つの章の主人公の脇役が次の章の主人公になって物語が続いていく連作短編集。そして、最後の章の相手は最初の章の主人公ってい人との繋がりというか、自分の人生の主人公は自分だけど、自分の人生の脇役の相手にもその人が主人公の物語があるっていうのを感じた作品だった。
2020/05/24
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