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白き糸の道

白き糸の道

白き糸の道

作家
澤見彰
出版社
新潮社
発売日
2018-05-31
ISBN
9784103518617
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白き糸の道 / 感想・レビュー

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のぶ

養蚕に人生の多くを注いだ女性、お糸の半生を描いた小説で、強く一途に生きる姿が心を打つ作品だった。時代は幕末。本の冒頭ではお糸はまだ15歳。本の前半では生糸の生産性を高めるのは気温だと思っていたところに、当時珍しかった寒暖計の存在を知り、養蚕に取り入れたいと奔走する。苦労の末、蚕当計として開発し取り入れる。後半は黒船による開港で外国に生糸を販売する事に手段を尽くす。幕末のお仕事小説で、順風ばかりではないお糸の人生だが、そのひたむきさがとても印象に残った一冊だった。

2018/08/04

信兵衛

何かしようとしたときに、男性より女性の方が困難が多いというのは、現代にも通じる課題でしょう。 時代小説というより、一人の女性ストーリィとして読み応えを覚える作品でした。

2018/07/06

MA

何かを為さずにはいられない、バイタリティ溢れる女性のお話。自分にしか出来ないことを探し求め、貪欲に進んでいく様子は力強い。お糸のような人には、生きづらい時代たったろうな。それでも、いつでも味方がいるお糸は魅力的な人物だったんだろう。仕事を頑張るお糸はすごいけど、でもお葉はやはり可哀想ではあった。最後には打ち解けたのが救いだけど…

2018/08/25

みこと

江戸の終わりから明治にかけて、百姓を豊かにするため養蚕の発展に人生をかけた女性、お糸の物語。為すべきことを成し遂げたい、という思いに突き動かされ、ひたむきに生きた。春の訪れとともに村にやってくる蚕種商に算盤を習い、より多くの繭を作るため、江戸に出て当時はまだなかった寒暖計の開発に力を尽くす。紆余曲折、心が折れることも多い中、強い心を持ち続けるお糸には脱帽です。おかげで日本における養蚕というものがどういうものだったのか、田圃の少ない地域にとってどれだけ大事なものだったのかがとてもよく伝わりました。よかった。

2020/02/05

おーね

養蚕に温度計を取り入れるために苦労する糸だけれども、作るのにも大変だったのに、概念としての温度を計ることも誰も思いつかなかった壁を打ち破る難しさ。でも何かを成したいというよりやりたいという気持ちを抑えられない。それでも娘と帰る家を持ったことにホッとしました。

2018/07/24

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