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ツユクサナツコの一生

ツユクサナツコの一生

ツユクサナツコの一生

作家
益田ミリ
出版社
新潮社
発売日
2023-06-29
ISBN
9784103519829
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ツユクサナツコの一生 / 感想・レビュー

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ミリさんの作品では珍しい主人公の結末で衝撃でした。お母さんが亡くなり、お姉ちゃんは既に家を出ていてお父さんと二人暮らしの漫画家ナツコ。コロナ禍で窮屈な生活の中、お父さんとのほのぼのした生活やバイト先での出来事等の、大きなイベントも無くとも小さな気づきを増やしながら生き、漫画にしていくナツコがとても良かったです。ナツコが描く猫の話、好きです。バイト先のお客さんのおじいちゃんの話が切ないけれど良かったです。自分の家族に置き換えていつか来る未来を考えてしまいました。家族を大事にしないとな。

2023/09/01

Ikutan

父親とふたり暮らしの漫画家ツユクサナツコさん。ドーナツ店でバイトしながら、日々のできごとをヒントにインスタで漫画を描いている。そんなナツコさんのコロナ禍の日常と作品が交互に描かれ、ミリさんらしい感性に、はっとさせられたり、クスリと笑ったり。そして、いよいよ漫画連載の話も持ち上がり、ワクワクしてたら、えーっ!と驚かされた。だから、このタイトルだったんですね。第四話の「盆栽」のラストは笑った。作中作品では『パロの1日』がお気に入り。ミリさんの本で、持ち歩くのが重たい、こんなハードカバーの作品は初めてかも。

2023/09/21

sayuri

第28回手塚治虫文化賞短編賞受賞作品。読んだ人が口々に衝撃を受けたと言う本作。展開を想像し、ある種の覚悟を持って読み進めた。主人公は32歳・漫画家のナツコ。昼はドーナツ店でアルバイトをし実家でお父さんと二人暮らし。と、ここまではいつものミリさんの何気ない日常を描いた物語と大差ない。けれど行間から漂う死生観。日々時間に追われ、その日のノルマを果たす事にばかり気持ちがいく余裕のない心に改めて気付かされる。17話で衝撃を受け、最終話で涙が溢れた。明日も生きている保証なんてない。命は有限である事を突き付けられる。

2024/06/24

nonicchi

後半に衝撃の展開!という触れ込み、このほのぼのマンガのどこに?と思っていたら、見事にやられました。泣きました。まさかそんな…。ナツコの紡ぐお話は、自分の周りのちょっとした出来事、事象をナツコなりの視点と間で独特の世界を作り上げていた。「読む前と読んだあとでは、わたしの世界の質量はちょっと違う気がする」ホントにそう。コロナの頃を忘れつつある今、あの世界を思い出させてくれる意味でも貴重な一冊。わすれないよ。

2024/05/19

ぶんこ

ドーナツ屋さんでバイトするコロナ禍のナツコさん。まだ収束はしていないけれど、どうにか学生さんたちも通学したり、部活に励むことが日常になりました。リタイヤしている家では影響はあまりなかったのですが、確かに子どもたちは可哀想でした。貴重な子ども時代の思い出が、コロナで埋まってしまうなんて。ゆったりのナツコさんの日常も、ある日突然こんな終わりをむかえるとは。一緒に暮らしていた娘だけに、お父さんの哀しみを思うと胸が詰まります。まさか、ほんわか漫画が、これで終わったのでしょうか?

2024/03/31

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