すごい言い訳! 二股疑惑をかけられた龍之介、税を誤魔化そうとした漱石
すごい言い訳! 二股疑惑をかけられた龍之介、税を誤魔化そうとした漱石 / 感想・レビュー
タイ子
さすが文豪たちの言い訳。言い訳をしなければいけない事由においては、恋愛であったり、お金、失態、断りの場合など珍しくない事ばかりなのだが、何せ文豪が書くからすごい。文章の上手さだけで逃げ切れるのはいいよなぁ、なんて思ってしまう。宮沢賢治が親に借金の依頼をしたときなんか、あの「雨にもまけず・・・」なんてどこから出てきたんだと思わせるヘタレな甘えん坊さん(笑)。イメージしていた文豪の実は…な顔が見られて面白い。文豪だって人の子、漱石さん、龍之介さん、太宰さん、み~んな人間だもの。でも、凡人の言い訳に一利なし。
2020/10/07
Willie the Wildcat
培った人間性と表現力次第で、相手の受け取り方に差異。筆頭に漱石氏。脱税の件は笑うしかないが、未知の面会者の件が私なら、もれなく速攻で山房行ってるかな。文豪という意味で印象的なのが、泉鏡花氏。中身を忘れさせる清楚で、平安の古が滲む文面。対照的なのが樋口女史。日和る男性陣とは比較にならない胆力!?興味深いのが、中勘助の謝辞と啄木氏の無沙汰。前者は、皆が理解不明な詫びの理由。後者は、非論理性を論理的に感じさせる力。これも文豪たる所以也!言い訳ではなく生活の知恵、潤滑油かな。
2019/08/14
みこ
文豪の皆さんの言い訳アレコレ。一つ一つの章が短く中盤からややダレてしまった感は否めないが、最後の漱石スペシャルで痛快な気持ちと共に本を閉じる。太宰のように予想通りの人もいれば、宮沢賢治や石川啄木のように清貧のイメージを覆される人もいて、文豪の皆さんがより親しみやすく感じられる。泉鏡花は未見だったけど、私信でしかも言訳文でこれだけ美しい文章を書くなら作品を読んでみたい気持ちにさせられる人もいる。中には上手に煙に巻いた人もいるので文章の上手い人の言い訳には要注意
2019/11/24
那由多
文豪の書簡を中川氏の解釈で読む。誠実さの芥川と小林多喜二、偉そうなゲスの直木三十五と林芙美子。雨ニモマケズ精神に感動してた子供時代を返せと抗議したい、お坊っちゃま宮沢賢治。結婚生活破綻してる兄に、結婚の相談しちゃダメだよの谷崎潤一郎の弟。時代のせいにしちゃうお前はイマドキの若者か、の新美南吉。不快にさせない謝罪文が参考になる夏目漱石。酔っ払い中原中也の「一人でカーニバル」パワーワードだった。末尾にこれさえ付ければ、相手も吹き出して不問にされるはず。
2019/09/12
メタボン
☆☆☆★ 美文調の泉鏡花、人間臭い石川啄木、太宰治、巧みに人心を操る夏目漱石など、文豪の手紙には、ほれぼれとさせられる。
2019/05/30
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