KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

ボダ子

ボダ子

ボダ子

作家
赤松利市
出版社
新潮社
発売日
2019-04-19
ISBN
9784103524816
amazonで購入する

ボダ子 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

鉄之助

主人公・大西浩平は、母親の口癖「何とかなる、何とかなる」を呪文のように唱えながらも、何とかならない。現実逃避するために欲望の奴隷となっていく。わが身にも、大いに当てはまって、身につまされた。「ホームレス作家」赤松利市の”自伝的”フィクション。この小説を執筆しながら、生き別れとなった娘と向き合うことになったという。この作品を書くことで「一皮むけた」と赤松自身が告白しているだけあって、読みごたえがあった。

2023/03/01

しんたろー

『らんちう』『鯖』に続き赤松さん3冊目。愚かな男・浩平が主人公の私小説?…う~ん、どこまでが実話なのか判然としないが、世代が近い男には親近感さえ抱くような赤裸々な小説、いや、日記のように感じた。自己中な生き方をしている私にとって、自分の恥部を描かれているような錯覚をしてしまう…それが、著者の狙いだとしたら恐ろしい!人には勧め難いが、強烈な磁力を持った作品と言える。浩平ほどではないが、楽天的、いや、現実逃避型の私は人生を振り返って反省してしまった。最愛の娘が幸せになることを祈りつつ、ボダ子の無事を願った。

2019/08/23

yoshida

大西浩平の娘は中学生になり、境界性人格障害(ボーダー)と診断される。大西は結婚と離婚を繰返し娘とも離れる。突然の別れた妻からの電話で娘の病状を知った。崩れる大西の家族とビジネス。再起の為に大西は東日本大震災の復興ビジネスに食い込む。合流した別れた妻と娘。娘の始めた被災地のボランティアは地獄への始まりだった。建設業界の重層構造、復興特需に群がる人々、ボランティアに潜む外道達。ボーダーの娘につけ込む外道の酷さ。そして、この作品が作者の実体験によることに戦慄する。どうか、娘が何とか戻れることを祈って止まない。

2019/08/22

おしゃべりメガネ

いや、スゴい。とにかく凄まじい。言葉にならない破壊力抜群の一冊です。圧巻としか言いようがなく、レビューをなんと書いていいのか、整理できない作品です。本作も東日本大震災復興を背景にしてますが、テーマは「境界性人格障害」(通称ボーダー)で、とても一言では言い表すコトの出来ない内容でした。最初から最後まで、読みながらもそのヒリヒリした緊張感に圧倒され、ただのバイオレンスだけでは括れない作者さん独自の'美学'すら感じてしまいます。この衝撃はとてつもないインパクトを伴い、読む者を必ずや虜にし、中毒性のある作風です。

2019/06/29

いつでも母さん

タイトルだけで興味深い!まさかそんな意味だったとは。が、何なの、これは!愕然・呆然・啞然の連続でした。サイテーと思いつつどこかに救いがあるだろうと思う私を嘲笑うように赤松さんが酷くて凄いです。ねぇ、どこまでが本当なの?そして、ボダ子・・いや、恵子は何処に?今もあそこには沢山の『浩平』がいるのだろうか?これは確かに問題作だと思います。これから読む方は注意して!

2019/05/13

感想・レビューをもっと見る