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財布は踊る

財布は踊る

財布は踊る

作家
原田ひ香
出版社
新潮社
発売日
2022-07-27
ISBN
9784103525127
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財布は踊る / 感想・レビュー

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ノンケ女医長

御会計のときに男性が「マジックテープのお財布」を取りだして来たら驚愕するかも知れないけど。それは個性かもしれないし、私は全然大丈夫。むしろ、好ましい。重厚感のある、超一流のブランド財布を買いたいという気持ちもすっかり減ってしまって、丈夫で使いやすければいいんです。作品に登場する、あるブランドの財布。時間とともに、憧憬が変わっていく描写がとても素敵だった。ラストシーンは、とても晴れ晴れとしたし、共感の連続だった。財布の価格と年収が比例するというセールストークは、割と10代の頃から疑念を向けていました、私。

2023/08/11

Karl Heintz Schneider

28歳主婦のみずほが爪に火を灯すような想いでやっと買ったルイヴィトンの財布。ところが買った直後に夫の借金が発覚し未開封のまま手放すことに。その後、5人の間を渡り歩くことになるこの財布は様々な人間模様を垣間見ることになる。原田ひ香さんは大好きな作家のひとり。新作が出るたびに読むのを楽しみにしている。でも今回はFXとか、投資とか、転売とか、風水とか・・・興味のある人には、いいかも知れないがいずれも門外漢の私には退屈な内容だった。「三千円の使い方」と同じ系列だとは思うがそれよりもっと専門的、生々しい印象が残った

2022/10/10

旅するランナー

旅するヴィトン長財布。あるいは、ちょっぴり不幸の財布。でも、財布に罪はない。世間にはびこる貧困がグルグル巡るのだ。ただ、それは他人事ではなく、少し間違えば自分の身にも降りかかる怖さを感じ取れる小説である。人生の落とし穴が、次の角を曲がったところで待っているかもしれない。

2022/08/20

のぶ

お金って大切ですね。でも恐いですよね。本作はそんな何にでもついて回るお金について、いろいろな角度から描いて連作集に仕上げたもの。最初は「三千円の使い方」の続編の感覚で読み始めたが、内容が思いのほかシビアで予想以上に手強かった。6つの話が収められているが、最初にみづほという専業主婦が登場し、夫の借金に立ち向かうところから始まる。その後、主人公は変われどもリボ払い、投資勧誘、株式投資等、いろいろな話題が描かれていて、想像以上に興味深く勉強になった。全編を通して登場するヴィトンの財布は何かの象徴か?

2022/08/15

のり

お金は生きて行く限り絶対に必要となる。借金・株式投資・奨学金、その額を返済するのは容易ではない。一人の主婦の念願のヴィトンの財布が様々な人の手を渡りながら戒めてくれる。世の中、一発逆転はそうそう起きないが、自己努力は必要だ。しかし、何かを犠牲にして見失うのではいけない。やっぱり地道に頑張ってコツコツ貯めないといけないなぁ~。

2023/01/18

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