うずまき猫のみつけかた: 村上朝日堂ジャーナル
うずまき猫のみつけかた: 村上朝日堂ジャーナル / 感想・レビュー
sakap1173
数年周期、いや数ヶ月周期?、村上さんを無性に読みたくなる。 今回は海辺のカフカを再再読しようと思ったが、エッセイをとりあえずチョイス。 カジュアルにサラサラっと読めました。 村上さんのエッセイって、ほんとに肩の力が抜けてて、なんかいいですよね。 次は短編集。中国行きのスロウ・ボートを読みます。
2022/06/27
James Hayashi
90年代ボストン近郊に暮らされている時のエッセー。くだらないオヤジギャグととりとめない話が多いが、著者が中華を全く口にしない(ラーメン餃子を含め)こと、ジャマイカへ旅行した時、ターセルでさえ1週間で500ドル以上した事、自宅前の車が盗まれた事など驚かされた。本書で触れている著者が翻訳に携わった「心臓を貫かれて」やティム・オブライエンなどは読んでみたい。挿絵や奥様が取られた写真が愛らしく良い。ただギリシャで書かれた「遠い太鼓」のような夫婦間の面白みは今回はなし。
2016/08/06
踊る猫
確かにこれは「ジャーナル(日記)」だ。繰り言を敢えて書くと、私は若い頃は村上春樹の小説は好きだったがエッセイはさほど(購買的な意味でも批評的な意味でも)買っていなかった。内輪向けというか、「ハルキスト」に向けて綴っている独自のノリが受け容れられなかったからだ。だが、今になってそれなりに健康に気を配るようになり、つまりは若くないことを思い知らされつつ読んでみると彼がどの年齢になっても自己鍛錬を怠らず、くだらない消費活動にうつつを抜かすことなく書き続けていることに戦慄さえ感じる。その凄味が平凡な題材の中で光る
2023/03/02
akane_beach
氏が『ねじまき鳥…』を執筆中〜書き終わる頃のケンブリッジでのノンビリまったりとした日常の絵日記風エッセイ。安西水丸のクレヨン画と陽子夫人の普通のスナップがまたリアル。猫の話や写真が多いのもほのぼの。大長編『ねじまき鳥…』を集中して書きながら規則正しいストイックな生活をどこにも所属しないでマイペースで続けるということは強靭な精神力があるのだろうと改めて感心する。でも旅行に行ったりビールを飲んだり猫と遊んだり…抜くところは抜いてバランスも取って。ON,OFFの切り替えがキリッと出来るのも頭良いんだろうな。
2015/08/30
うーちゃん
安西水丸さんのイラストと、村上さんのちょっとした思い出の地の写真付きのエッセイ。猫多め。なんといっても「小確幸」という造語の素晴らしさに尽きる。私にとってお気に入りの言葉のひとつになった。村上さんの小確幸は、“のんびりと散歩がてら近所のパン屋に買い物に行って、ついでにそこでちょっとコーヒーを飲みながら、焼きたての温かいパンを手でちぎってかりかりとかじる”こと。わかる!かなり同意!私の小確幸は、寒い寒ーい日に、どうでもいいことをお喋りしながら、夫と鍋を食べることかなあ。小さいけれど、確かな幸せ!
2014/10/21
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