夜景座生まれ
夜景座生まれ / 感想・レビュー
旅するランナー
「ぼくは、心がなくて、きみにはあるから、きみはぼくにそれをちょうだい。人類はそうやって、愛を発明しました」最初の詩「流れ星」から引き込まれます。果てしない魂の残響が僕の心に届きます。後半「死」という言葉が増えてきて、大丈夫か?と気になりますが、詩を書くことで自分を更新しているそうなので問題なしでしょう。星座のように、つながっていく言葉の広がりをとことん楽しめます。
2021/02/17
ちぇけら
生まれて死ぬことを愛だというひとは、蝶が産まれるのを見たことがないのでしょうと、昨晩だれかと唇づけしたくちで気象予報士は言った、ごめんなさい、あなたに愛されないぼくがいるのに、愛がいまも世界に在るなんて許せるはずもなく、今日もまた星をなぞって新しい星座を作ります。愛されないならば、せめてあなたになりたいと、雨は産まれたばかりの蝶のようにひかった、愛は生でも死でもなくあなた自身だと、その事実にぼくは激しく感動する。あなたはぼくを愛さない、だから夕陽とともに燃えられる、そしてあなたは、世界は、夜になるのです。
2021/11/24
水色系
最果タヒさんの詩との出会いは、4年前。本屋を歩いていて、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』のジャケットを見た瞬間、夢遊病のようにレジに持っていっていたな。孤独が夜空に点滅している。「ブレーカーの詩」「ヨーグルトの詩」がよかった。あとがきがまたよくて、その孤独もまとめて全部抱きしめてくれてるような感じがする。最果タヒさん、ありがとう。
2021/01/20
aloha0307
冒頭 星が見えない大都会 高層ビルの狭間 夜景なんて誰も見ていない...「本当にぼくは孤独だ」の”本当に”はだれに対して証明するのか❓ タヒさんの叙事詩は感覚で捉えなくてはね。解釈 しようとすると味わえなくなってしまう... タヒ という名前 うえに一本横棒つけると 死 という字になるね(何故か気がつきました) Or タヒはタヒチが由来かな❓
2021/02/28
コンチャン
詩集というものを読むたびに思うことだけれど、言葉選びのセンスとか全体的な意味のぼんやりした感じとか、決して難しい言葉をつかっているわけではないのに、「絶対に自分では構成できない」と思わせてしまう何かがあって、この本からも例外なくその何かを感じることになってしまった。夜寝る前に少しずつ読んで読了。
2021/01/23
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