僕は失くした恋しか歌えない
僕は失くした恋しか歌えない / 感想・レビュー
はじめさん
歌人・実業家でもある著者の自伝的小説。話の節目に短歌が挿入される。大企業経営者の一族に生まれ、幼稚舎から慶應。エリートとしか勝たん。の世界に暮らしていた少年は、中学時代に同性が好きという自らの性的嗜好を自覚する。中学、高校の思春期と失恋を経て、この世の自由を謳歌する大学生活…新たなる恋、そして人生を変えてしまうある男性との出会い…1983年生まれということは、ワシと同学年かな? iモードの出会い系とか懐かしいなと思うと同時にセレブぶりに驚く。残り31文字で何か歌を詠もうとしたが、うまくいかない。難しいね。
2022/03/25
きたさん
ゲイの葛藤とか著者の本業(?)である俳句とかを語るべきなのだろうけれど、なんかもう、慶應すげえな……という感想に全て上書きされてしまった。今から20年くらい前の時代が主に書かれていたように思うけれど、刹那的な描写かな、なんとなくカツセマサヒコ氏の作品を思い出す雰囲気があったような気がする。
2022/04/28
ゆかたん
人と違うってだけで生きづらい。 読み終わった後で主人公と著者名が同じ事に気づいた。自伝的な小説だったのか。
2022/01/26
ぐっちょい
歌人でありゲイである著者の短歌が散りばめられた自伝。短歌って言い回しが特殊だったりルールが厳しかったりで苦手意識があったのだけど、本書の短歌はどれこれも馴染みのある表現で、情景や心情がしっかりと伝わり身近に感じられた。恋愛について、母親との関係性について、親友の女の子の人生について。ドキドキキュンキュンワクワクと引き込まれたところで唐突に始まるお家騒動。よくよく調べてみると聞けばピンとくる超有名な一族の御曹司じゃないの。現在も係争中で大変なのだろうけど、ご本人の信念がとても前向きな為今後の活躍を応援したい
2022/07/18
だんご貴子
なんて切なくて美しい物語なのかしら。 もうすっかり甘酸っぱい気持ちなんて遠い彼方においてきたアラ還のおばちゃんが胸をキュンキュンして読む手が止まらなかったよ。 今じゃLGBTQなんて当たり前に言われて世間では受け入れられている風ではあるけれど、それでも尚やはり多くの人の心の中には何処かしらの差別的意識は拭えないよね。 幼き頃から自分の中の異質な部分を抱えそれを短歌という形に表現し異国で生きているアナタ。 その感性は恵まれた環境でもたらされたものなのか、文章の随所からとても上質な品格を感じられました。
2022/01/28
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