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なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない

なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない

なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない

作家
東畑開人
出版社
新潮社
発売日
2022-03-16
ISBN
9784103544913
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なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない / 感想・レビュー

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kou

読みながら、著者と一緒に、夜の海を航海し、無人島でサバイバル、スフインクスからの問いの答えを探す冒険をしている気持ちになる不思議な感覚だった。実際に、カウンセリングを受けている時、こんな感覚になるのだろうか?定期的に何度も読み直したくなりそうな一冊だった。

2022/07/12

ネギっ子gen

世間の悩みに耳をすませば、聞こえてくるのは「一人ぼっち」という苦しみだった――。<大海原に放り出された小舟たち。それがカウンセリングルームのベランダから見える社会の風景です/小舟はいかにして方向を見出し、いかにして航海をしていくのか。言い換えるなら、この自由で過酷な社会を「いかに生きるか」。これがこの本のテーマです/言葉は心に補助線を引きます。それはあなたの心を整理して、前とは違ったように自分と世界を見ることを助けてくれる>と。『居るのはつらいよ』で大佛次郎賞受賞の臨床心理士が、心の中のドラマを描く!⇒

2022/08/16

Kanonlicht

臨床心理士の著者による、やさしい精神分析指南書。一昔前は社会という大海原を、親族や会社などの大船に乗って航海することができたけれど、親戚・家族関係の変化や、年功序列・終身雇用の崩壊によって、個人がそれぞれの小船で漕いでいかなければならなくなった。そこから生じるさまざまな心理的負荷を、一つひとつ丁寧にひも解く。人と人の関係はときに軋轢を生むものの、人はやっぱり一人では生きていけない。

2023/08/27

shikashika555

事例で取り上げられたミキさんとタツヤさんのエピソードが大きすぎて、圧倒されてしまった。 人間は変わる生き物で、常にどこかは以前と違う。 それでもその変わり方というのはとてもとてもゆっくりでまどろっこしくて、変わり目がわかりにくいものなのだ。 やや改変が加えられているとはいえ、こんなドラマチックな転換点に立ち会えることなんてそうそう起こらない。ものすごい話でした。 「シェアとナイショ」「ポジティブとネガティブ」の例えが新鮮だった。

2022/05/03

泰然

寓話風に心と社会の関係を説明する筆運びと実際のエピソードとをカットバックしながら、わたし達が「人生の迷子」になったとき助けてくれるヒントを優しく語る臨床心理学本。資本主義の徹底で大きな共同体は「小舟化」し、働く世界はもちろん、愛する世界も同じくになり、両者の世界が混ざった危険な現象等でヒトの人生の舵取りは容易くボロボロになる。人生やマインドは本当は複雑複数な構造のハズなのに、ヒトはひどくシンプルなものにして自分を追い込む。本書は複雑な社会とライフを複雑なままにしなやかに認知して生きる幸福のための練習本だ。

2022/04/19

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