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成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく

作家
宮島未奈
出版社
新潮社
発売日
2023-03-17
ISBN
9784103549512
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成瀬は天下を取りにいく / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

孤高の少女キャラクター成瀬あかり。まさに清新。本書の成功を支える最大の功労者である。そして、膳所という超ローカルな舞台設定がまたいい。そもそも、滋賀県自体が近畿地方の在住者や出身者にとっても馴染みが薄いのである。まして膳所。ちなみに成瀬が通うことになる膳所高校は県下一の進学校。プロットを背負うのは成瀬。これに絡んでいくのが(視点人物であったりもする)島崎(時に大貫)。成瀬と島崎の漫才コンビ「ゼゼカラ」の呼吸で物語は進行してゆく。それは爽やかであり、同時になんだかノスタルジックでもある。⇒

2023/09/25

夢追人009

14歳中学2年生の天才変人少女・成瀬あかりと同級生の平凡な親友少女・島崎みゆきのちょっと風変わりな青春物語です。ヒロインの成瀬は「いいな」と思ったことには迷いなく食らいつき綿密な計画と目標を立てて何が何でもやり遂げる執念とど根性とバイタリティーが凄まじい今時珍しい女の子なのですね。彼女は人からどう思われようと嫌われようとも全く気にせず如何なる障害をも吹き飛ばす強い精神力の持主で何事にも動じない逞しさがあるのです。家の近所にある西武大津店の閉店に向けたパフォーマンス、女漫才コンビでMー1グランプリへの挑戦。

2023/03/06

キ♡リン☆か

颯爽感と勢いを感じる本でした。デパート移転に伴い、そこに集う人達の人生、そして、主人公、成瀬のあっけらかんさ、奥深さ等、ストーリー展開を含め、一気に読める内容の本でした。小説とはいえ、魅力的な人はやっぱり惹きつけられますね。たくさんの店員さん達がこの本を本屋大賞に選ぶ気持ちは何だったんだろうと考えました。この閉塞感の中、今の時代になくなってきているそれぞれの人が持つ個性を大事にすること、生かすこと、その大事さ世の人達に感じてほしい、問うてみるという気持ちががあったのかなと勝手に想像致しました。必読です。

2024/06/19

tetsubun1000mg

近年稀にみる痛快な青春小説。キャラクターの設定が素晴らしいし読みながらワクワクしてくる小説って久しぶりに出会った。 この本は今年の上半期の大ベストセラーになるのではと思うほどの面白さ。 秋にはTVドラマ化されるのではという妄想まで浮かんでくる。 定期購読している本の雑誌社で故北上次郎氏が読んでいれば「いやはや、これはぶっ飛ぶぞ!」と自分の書評コーナーの半分を使って推薦文を重ねるのではないかと思えるほど。 表紙のイラストも、三浦しをんさん友近など多彩な推薦者が連なる帯もふくめてけっして期待を裏切らない作品。

2023/04/24

まこみや

痛快で文句なく面白い。その要因は一にも二にも主人公成瀬あかりのキャラクターにある。孤立を恐れずでも狷介ではなく、飄飄とマイペースに生きながら来る者は拒まない。周囲の目を気にせぬ勁さと同時に他者に対する義侠心の篤さを併せもっている。彼女の振舞いも考え方も実にユニークだが、何といっても言葉遣いーサムライ風のぶっきら棒で率直な口調ーがめっちゃイケてる。自称には何となく「拙者」が似合いそうな女の子である。ついでに言えば相方の島崎みゆきも“凡人”どころか、結構いい味を出している。令和版『坊つちやん』ここにあり。

2023/09/21

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