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異人たちとの夏

異人たちとの夏

異人たちとの夏

作家
山田太一
出版社
新潮社
発売日
1987-12-01
ISBN
9784103606024
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異人たちとの夏 / 感想・レビュー

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zag2

先日、河合隼雄対話集で山田太一さんとの対話を読んで以来、どうしても読んでみたくなった一冊。図書館で探して借りてきました。映画の原作ですが、映画は見たものの原作は初読です。もう30年も前に観た映画ですが、強烈な印象があって忘れられない一本です。あの原作を読んでみたいと思ったわけですが、微妙に映画とは印象が違うように感じました。もう一度、映画も観てみよう。そんな気持ちになりました。文庫でも出ていますが、図書館の地下書庫から探し出してきた旧版で登録します。

2022/04/30

モトラッド

★★★★[再読]読友さんのレビューに刺激されて、再読。一気読みしました。故大林宣彦監督の映画も大好きなのですが、独特の味付け(そこがファンには嬉しいのです)が成されており、好みの分かれるところ。そういった意味で、原作はニュートラルと言えます。しかも、とても読み易い。それでいて、とても胸にずっしり響きました。ネタバレせぬよう、これくらいにします。余談ですが、山田太一氏の顔写真が、お若くてビックリ。原作、映画ともに、超お薦めです。

2022/05/01

ykshzk(虎猫図案房)

幽霊でもいいから会いたい。大切な人を亡くして、そう思う人は少なくないのではと思う。単に顔を見るというのでなく、その人と共有した時間をもう一度体験出来たら。一緒に過ごせたら。言い出せなかった謝罪をきちんと出来たら。何かを差し出してそれが叶うなら・・でも自分の命は差し出せる?私にとって天国に居る大切な人たちに対して思うことは、あなた達の存在=共有した空気と時間そのもの、なのだと改めて感じた。山田太一、やっぱりすごいな。公開中のイギリス映画版も観たけれど、主人公が同性愛のカップルに置き換えてある以外は割と忠実。

2024/05/10

kameyomi

夫が、どうも腑に落ちないところがあるから、読んで感想を聞かせて欲しいと言うので。多分山田太一の小説は初めて。まず感じたのは、やはり上手いということ。数ページ読んだだけで「私」という人物がくっきりと浮かび上がる。非常に面白かった。確かに、それは意図されたものだが疑問点が多く、特にKを登場させたのは何故かが、夫との論争の焦点となっている。折しもお互いの解釈を言い合っていた今朝、ニュースで出版後37年になる今、英翻訳を映画化したものが上映されると伝えていた。少し原作と違うところもある様だが、是非観てみたい。

2024/04/20

ceskepivo

心が揺り動かされる小説とはこの小説だろう。英国で映画化されたのも理解できる。誰にでも親はいる。親に認められたいと思う心情は同じ。それを著者は、亡くなった親を目の前に蘇らせて表現した。また別離が来る。「あんたを自慢に思っているよ」と母親。「お前は良い息子だ」と父親。息子にとってこれほど嬉しい言葉はない。でもそれを素直に受け入れられない。最後に父親は言う。「自分をいじめる必要はない。手前で手前を大事にしなくて、誰が大事にするもんか」

2024/08/03

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