砂の上のダンス
砂の上のダンス / 感想・レビュー
ぶう兵衛
1980年代終わりに公演された戯曲。「砂の上のダンス」はアラブの架空の国が舞台。治安の悪い異国での勤務生活に夫として妻としてなんとか合わせていた心の帳尻が、現地のクーデターに続く本社からの撤退命令によって遂にバランスを失う。話し合うしか出来ない四組の男女。そこでの山田太一的会話は、一つのテーマを浮き上がらせる。現実とは何か?向き合うべき現実はいつも捉え難く、私たちはどこか誤魔化しながら生きている。ごまかしは肯定され得るものかもしれない。だが、幻想が思いがけなく破壊されることが現実にはある。
2014/07/24
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