ニッチを探して
ニッチを探して / 感想・レビュー
けい
ニッチという言葉と表紙からほのぼのとした物語を連想して読み始めたが中身はまるで(違う意味でほのぼのしている部位もあるが)違っていた。銀行員である藤原道長、ある日を境に世の中からドロップアウトしホームレスになる。彼の行動を追って行くうちにホームレスを疑似体験している様な妙な気分になっていく(妙な引力で引き込まれ自身の深層心理に願望としてあるのか?とも思ってしまった)結末はどうあれ思った以上に楽しめた一冊でした。
2013/10/20
ひろ☆
表紙が可愛いので、内容こんな感じなんだ!世を捨てて、ホームレス生活を送る日々が興味深い。失踪するときは、女性や協力者は必要。
2014/11/07
白のヒメ
伴侶を捨て、家族を捨て、仕事も家も、社会的なしがらみも自分の名前さえも全て捨てて、社会のニッチ(隙間)に入り込んでしまいたい。そんな願望が自分のどこかにあるから、ホームレスというワードを持つフィクションなりノンフィクションの本を手に取ってしまうのだろう。この主人公も自分の正義のために全てを捨ててホームレスになる。芥川賞候補にもなり、その他数々の賞を受賞している作家の作品らしく、文章中に哲学的な光るフレーズがたくさんあり引き込まれた。ハラハラドキドキの結末。やはり私にはホームレスは無理だと再確認出来ました。
2014/01/27
いくら
社会的には成功者である主人公がいきなり職を離して、ホームレスとなりニッチ(居場所)を求めて放浪する。唐突であるし計画性もそれほどないのではと思える彼の当て所もない旅に読者として同行していく先に得られたものは、思った以上に満足いくものだった。
2014/04/29
TATA
宮本輝さんと並んで大学時代に読みあさった島田さんを久しぶりに一読。面白かったし一気に読めたのだけど、あれ?こんな感じだったっけ?荻原さんの「砂の王国」や奥田さんの「ナオミとカナコ」の世界観と似たとこもあって読みやすいんだけど、「僕は模造人間」とかみたいな尖った感じがあまりなかったのが少し残念でした。暫く読まない間に作風変わったのかなあ。
2016/03/27
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