なみだ蟹のムーンライト・チアーズ
なみだ蟹のムーンライト・チアーズ / 感想・レビュー
糸車
この作家さんの作品を読んでいるとずっと息を詰めているような気がする。でも読んでいる間は気づかない。読み終えてからやっと呼吸ができて、胸に鈍い痛みを感じてしまう。読んだのは大昔なのに、ラストシーンが繰り返し頭に浮かぶ。ひょっとしてこの作家さんが苦手なんだろうか。何冊か読んで、それ以降図書館の書架の前で何度も立ち止まり、でも手に取れず…。関西出身と聞いているし、関西を舞台に書かれているのに違和感があるのは何故か。
2017/04/30
星落秋風五丈原
私の髪を憮でる、その指で、その腕で、彼女のことを抱くのですか—10才で初めて出会った日から22歳の今日まで、ミヤコはセンリだけをみつめ続けてきた。卒業後センリはアナウンサーをめざして東京へ。うしおは神戸を離れることができなくて二人は離ればなれに。2人を結ぶ一本のレール。うしおはセンリに会いに東京にやって来る。きっと、だれの心の底にも沈んでいる、冷たい恋の化石を胸に、何も言えず、ただみつめるだけのせつない愛。ひそやかな片想いのゆくえを描くラヴ・ストーリー。
1992/07/18
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