お家さん 上巻
お家さん 上巻 / 感想・レビュー
naoっぴ
明治時代からはじまる巨大商社・鈴木商店の女主人“鈴木よね”の、波瀾に満ちた人生。朝ドラのような読み心地です。初めから特別ななにかを持っていた人というわけではないけれど、目の前のことに一生懸命に取り組んでいくそのことが、次々と未来へ繋がる道を作り出している。なんだか元気がわいてきます。下巻へ。
2019/05/21
Aya Murakami
図書館本。 高校日本史の教科書に出てきた鈴木商店の話でした。高校生の時は樟脳とは何ぞなんて思いながらそれ以上にことは考えませんでしたが、セルロイドの原料だったのですね。今の石油のようなものと考えればよいのかもしれません。 そんな産業の基本商品を扱い、日本の鈴木商店・世界の鈴木商店となりながら主人公の女性には共感できませんでした。夫の隠し子(?)には冷たく当たりながら自分は心のうちに前の夫を思い続ける主人公に身勝手さを感じたので…。他にもいろいろ身勝手な行動が
2018/06/19
さと
髙田郁氏の『あきない世傳…』を読み次巻を待つ間に手にしたのは、これまた女傑(⁇)の物語。幸のように、激動の時代に自ら先陣切って舵を取るというより、大きな母艦 のような存在に思えてくる よね。でありながら、降りかかる出来事に妻として、時に母や姑、養母…となるよねの喜怒哀楽を共に感じ始めている自分がいた。よねの回想も手伝って、鈴木商店がこれから辿る道もさることながら、日本が大きく成長していく中で自分の人生を自ら切り拓いていくことになる(だろう)女達のこれからが楽しみでならない
2021/12/17
Miyoshi Hirotaka
私が日商岩井に入社した頃、砂糖部砂糖課という一部一課の部署が健在。また、行事が盛んだったし、駐在適齢期になると結婚圧力が露骨にかかった。今では奇異に思われるこれらの風習は、百年以上も前に創業した鈴木商店の企業文化に由来するものだったことを感じさせる生き生きとした描写が随所にある。主家岩治郎の急死により鈴木よねが女店主となったことが奏功し、経営と所有の分離、権威と権力の棲み分けが自然な形で成立し、各事業部に大幅な権限移譲がされる近代経営が実現した。これにより、貿易だけでなく、投資やM&Aで急成長していった。
2024/03/17
野比玉子
神戸の地で一大商店として繁栄した鈴木商店のおかみさん、鈴木よね。ミセの女将でもオクの奥さんでもなく、イエを守るお家さんとして、孤軍奮闘していく。商店が大きくなっていくがお家さんとしての力量がついていかないのが歯痒い。
2016/07/22
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