天平の女帝 孝謙称徳
天平の女帝 孝謙称徳 / 感想・レビュー
雪風のねこ@(=´ω`=)
広虫と由利の距離感が良いなぁ。天皇陵の上で話し合うシーンも情景が浮かぶ様で良かった。毒殺というミステリーっぽい雰囲気もあり、その中で澪がワトソン役を演じ華を添えている。時代からみれば薄紅天女/荻原規子著に掛かる。巫女、隼人、舞い、歌等々、思い浮かぶ点は多い。女帝は女の幸せを願ってはならないのか。遺した木簡が、産み落とした赤子の様にも感じた。後に女帝が生まれなかったとしても、政治の場に活かせたのだろうと思う。最後は毒殺だらけのオチだけど、欲は何人にも有り、それを唆し利用した者には必ず竹篦返しがあるのだろう。
2017/01/05
あすなろ
女帝の目指した世は、このまま誰にも理解されずに歴史の底へと沈んでいくのであろう。何を目指したのか?それは、この緑なす瑞穂の国が、太古から自然界に無数に存在する神々の声を、霊感に富んだ女がことづかり、それを伝えられた男が腕力で政を行う。そんな男女が共に役割分担して働く気風があった国であった筈。しかし、その路上にて立ち闘う女性天皇。道鏡や恵美押勝等、男の新帝との闘いを交え、ラストに記される詔には感慨深いものがある。
2016/01/09
ゆみねこ
奈良時代、二度も皇位についた孝謙称徳女帝。日本史の授業で習って、印象が強かったのは弓削道鏡。この本では女帝の御世を和気広虫と言う女官の視点で描いたもの。藤原氏の権謀術数によってこの時代があったことが良く分かりました。
2016/02/05
紫陽花
先日、平城京跡に行ってきました。これまで天平期の本をあまり読んだことがなかったので、この本を選びました。女帝の孝謙称徳天皇を描いたものです。皇位簒奪を狙ったとされる弓削道鏡、歴代最高齢即位の光仁天皇、反乱を起こした藤原仲麻呂、桓武天皇など歴史的に有名な人々が登場します。玉岡さん独特の女性の視点から描いた作品で読みやすく面白かったです。
2019/05/11
Shoji
読むのにすごく時間がかかった。 感情移入することなく、ひたすら淡々と読んだ。 この物語で著者の玉岡かおるさんは、孝謙(称徳)天皇、道鏡、広虫への思い入れを通じて、男女が等しく活躍できる社会の創造、女性の皇位継承問題など伝えたかったのかなとは思います。 ストーリーとは関係ないが、この本にも歴史は勝者が作ると書かれていた。 つまり、勝ち残ったものが筆を執るとの意味だ。 孝謙天皇および道鏡と対立する藤原仲麻呂(恵美押勝)が、思いのほかヒールに書かれていた。 これも、筆を執った者勝ちということか、、、、
2016/05/10
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