絵師の首: 小説江戸女流画人伝
絵師の首: 小説江戸女流画人伝 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
両親が幼い頃に離婚し、働きのない父に代わり妹二人を育ててきた喜和。ところがそれぞれの連れ合いがぐうたらで、扇に絵を描く喜和から金をせびりとってゆく妹達。喜和が井筒屋の番頭吉兵衛とやっと掴んだ幸せも、母の葬儀で見かけた吉兵衛を金づると睨んだ妹達の思惑を考え、手放すことに。京都を去りしがらみから逃れたい喜和は自らを扇に描かれた鮎にたとえる。「扇の鮎」明治維新の後廃仏毀釈運動により多佳の「山越阿弥陀図」は燃やされてしまった。失意の多佳と清七は、皇后の東上に抗議する人々の群れに加わり、命を落とす。「戊辰の門」。
2002/05/22
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