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幾世の橋

幾世の橋

幾世の橋

作家
澤田ふじ子
出版社
新潮社
発売日
1996-11-01
ISBN
9784103760054
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幾世の橋 / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

ページをめくるのがもどかしくらい面白い作品は多いが、ページを繰るのがもったいない作品は少ない。「幾世の橋」は、そんな貴重な一冊。毎夜ベッドの中で一章ずつ残りの紙数を惜しみつつ読みました。藤沢さん亡き後の市井ものは、澤田さんにおまかせ。植木職人になる重松、その幼なじみで刀研ぎ職人になる八十吉、重松に思いを寄せる篠山藩京屋敷に下女奉公しているお太禰(たね)、3人の若者を中心とした、名作「虹の橋」に続く感動のビルドゥングスロマン。

2004/03/20

みかりん

親が子供を残して心中。友達夫婦に育てられた重松。その重松が暖かく周りの人達に見守られて立派な植木屋にまでの話です。思い通りにいかないことや、辛いことを乗り越えて幼なじみと共に切磋琢磨して成長していきます。とても長いですがとっても良かったです。

2020/04/18

オレンジ。

訳ありの両親から生まれた重松が、一流の庭師になるまでの周囲の人々との心温まる交流が描かれている。ここでは人間の器量や徳というものを描きたかったのではないかと思える。京都の植東(うえとう)が舞台になっているが今も実在する造園会社である。もっとも本当は「植藤」だが。16代目・佐野藤右衛門さんは京の桜守りとして有名である。澤田さんの長編は久しぶりだったが興奮するほど引き込まれた。どの本にも出てくる高瀬船の「えんやほい、えんやほい」のかけ声は懐かしさを覚えるほど。もう一度、じっくり読みたい本だ。

2014/10/02

格之進

かなり久しぶりの再読 周りの人達に見守られて一人前の植木職人となった青年の成長物語 良いことばかりではないがそれでも真摯に生きる姿が周りを動かすのか

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