いまも、君を想う
いまも、君を想う / 感想・レビュー
やも
タイトルに惹かれて。著者の川本さんが、若くして逝去した奥様との思い出をつらつらと語る。これが外で読んでいて困った。何度も涙が出てしまって。子をなしに2人で35年連れ添った幸せな日々、何もしてやれなかったと嘆く闘病生活。この本を書かれたのは奥様が亡くなられてまだ2年しか経っていないからか、川本さんの強烈で生々しい寂しさが伝わってくる。深い悲しみと言う名の愛で溺れないように、川本さんは泳ぎ方を練習しているようだった。こんな風に想ってくれる伴侶に巡り会えたことは、宝くじが当たるよりもすごいことだと思う。
2022/10/21
lonesome
結婚もしたことがないしこれから先もしかしたら一度も好きな人と人生を共に歩んで行くことはないかもしれない自分がこんなことを言うのはとてもおこがましいとは思うけれど、もし結ばれることがあるならば、城山三郎さんの本を読んだ時も思ったけど、こんなふうな夫婦になりたいなととても憧れる。川本さんの奥様の恵子さんの、前向きな明るさとユーモアと強さ。川本さんの前では決して涙を見せなかったのは優しさなのだろう。心の中にいつもいるなら一人ではないとしても、愛する人に先に去られたらこの上ない淋しさに違いないと思う。
2014/11/29
ぶんこ
城山三郎さんの本を読んだ後も感じた事ですが、奥様を亡くされた夫の哀しみに胸が痛くなりました。 新聞社を解雇され、前科持ちになった川本さんに「朝日新聞社」と結婚するわけではない」と言い切った奥様。 なんて素敵な方なのだろう。 ご夫妻の好きな映画「善き人のためのソナタ」は、私も大好きな映画なので、そんな一致が嬉しくなりました。 静かな葬儀というのにも共感を覚えました。 我が家も子供無し、猫好き夫婦。 仲は良いが、先に亡くなったとしたら、ここまで悼んでくれるだろうか?
2015/01/30
もりくに
私の住む街には歩いて行ける「本屋」が1軒しか(も?)ない(ある)。必要な本を探すには、ネット書店は便利だが、やはり本の中を漂ってみたい。そんなこともあって、最近は自分の貧弱な本棚の「背表紙」を目で追うことも増えた。眺めれば、その本に触ったときの「手触り」や、読んだ喜びが蘇ることがある。この本は、そんな書棚「クルーズ」で目に留まった。手の中にすっぽり収まるような小振りな造りと、なによりタイトルに惹かれた。「遅読」自慢(?)で、「蔵(買)書」が好きな私としては、「再読」は避けたかったのだが・・・ 続く
2019/04/15
メタボン
☆☆☆★ 妻に先立たれた夫の話をどうしても読みたくなってしまう。そして読むと必ずせつない気持ちになってしまう。自分もきっと妻に先立たれるのは耐えられないと思う。生きている間は何とも思っていない日常のこと、本当に大切な時間を過ごしているのだということを忘れないようにしよう。
2022/10/03
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