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過ぐる川、烟る橋

過ぐる川、烟る橋

過ぐる川、烟る橋

作家
鷺沢萠
出版社
新潮社
発売日
1999-08-01
ISBN
9784103780045
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過ぐる川、烟る橋 / 感想・レビュー

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あつひめ

これこそ、運命の中で生きる…って感じかな。流されるままに生きてきたように見えるけど、その都度何かの力に導かれるように歩む道が見えてくる。心の中に大事なものをしまう小箱を大事に抱えて…。自分の生きざまなんて本当は誰にも語らず墓の中まで持っていくものなんだよね。この男はそれが出来るだけの芯のある心を持っている。男と男の友情もその小箱の中では汗くさくて苦い血の味がするけど…自分の足跡の中では欠かすことができないもの。切ないけど…久しぶりに男気を感じた。

2014/03/18

ひさしぶり

「俺たち、このまま夫婦になれるな」新妻の如く夕食を作って帰りを待つ脇田は大きな躯体でノミの心臓。不条理な生活を共に支えてくれた兄貴分の波多江との同棲生活が妙に郷愁的。線路のポイント切替で別の世界の人のなってしまった同胞に想い寄せる時胸の芯に痛みを感じることがある。脇田が波多江の生活の場を訪れ 襲われる哀しみはとうに分かっていたけれど。友情以上の兄弟愛が悲しくて切なくて仕方ない。べちゃべちゃして不味かった天ぷらが全てを語っていて、殊更悲しい。スイッチが入って覚醒した赤の描写。読み終わるのが勿体なかった。

2019/11/26

チェス

ただただ切なく。図書館本

2019/06/20

かみーゆ

この本鷺沢さんのなかでも一番好き。プロレスラーへの愛も感じますよね。ほぼ全部覚えてるから読み直すこともなかったんだけど、久々に読んでやっぱりよかった。努力してもどうしようもないことってあるんだよなあ。運がいいとか悪いとか人は時々口にするけど〜はさだまさしだったっけ。これ読むと頭の中に流れてくるんだよね。自分じゃどうすることもできなくて、全部うまくいかなくて、それでも生きることを選んだ人を抱きしめてあげるような作品描いてたのにさ。ホント50歳60歳って歳を重ねてからの作品読んでみたかったです。

2021/04/25

メカ黒猫

熟考された構成、根底の切なさ、侘しさ、寂しさが滲み出た作品。ストーリー、文章力に引き込まれ、気持ちよかった。独特のリアリティがあり建物で言う基礎部分がしっかりしたいい本だった。惜しい作家を亡くした。氏の作を大事に読んでいく。

2012/09/05

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