劇場の神様
劇場の神様 / 感想・レビュー
あつひめ
人の心にひっそり住み着いている思いを語っているような物語。誰に語っても伝わらないことを独り言のように呟く…。その静かだけどザワザワと揺れる思いが私は好きです。それは身近に感じるからかもしれない…。人の短篇集に出てきたパン屋とただの一夜のパン屋に共通点を見つけたり。道ですれ違った人の心を覗き見たような快感も感じる。タイトル作のテンポのよさも味があって楽しめた。
2013/06/11
へロム
原田宗典さんの妹であるマハさんの「キネマの神様」が良かったので手に取りました。4つの短編が収められていますが、どれも良かったです。タイトルの「劇場の神様」は劇の描写と盗難事件をからめた話に、一気読みせずにはいられませんでした。
2013/03/13
つくよみ
★★★☆ 中篇の表題作と、3篇の短編からなる作品集。短編は、どれも昭和の香りと言うか、時代に取り残されたようなやるせなさを感じさせる作品。眼鏡のフレームの、ホンの少しの色の変化に、時を重ねた不器用な愛情を感じた。表題作は、元人気俳優主催の、ファンとの馴れ合いで持っているようなゆるい劇団の一幕を描いた作品。窃盗癖のある主人公と、いぶし銀の大部屋俳優。伊達に年だけ重ねたような十把一絡げの大根役者達。それら全員を駆り立てるように、舞台は回りだし、加速していく。抜き身の刃のような、迫力と魅力を秘めた作品だった。
2013/06/21
紅香@本購入まであと9冊
アサガオを見たのは、あれは夢?大学生活、引っ越しする前の一夜『ただの一夜』。プールの更衣室の階段の下で見た少女の秘密『夏を剥がす』。無口な夫が最期にとった行動は裏切り?『夫の眼鏡』。。胸騒ぎに似た奇妙さでページを捲る手が止まらない。そして物語の展開に驚愕。人の心の仄暗い部分を見せつけられた後味の悪いぞっとした余韻が残る。だけど何故かすごいと思えた。惹きつけられる何かを感じた。『劇場の神様』もとても風変わり。情けない男ばかりが登場。マハさんのお兄様の力量を見せつけられた。最後の粋な計らいに胸が熱くなる作品。
2013/06/19
ちゃんみー
原田マハさんの兄弟って知って、早速読んで見みた。短編4編のこの中では、短めの最初の3つの方が好き。スッキリ終わらない感じでモヤモヤしたのがいい。仕草などの描写も細かくって、頭の中ですごくイメージしやすい。次も借りてこようっと(^^)/~~~
2013/02/10
感想・レビューをもっと見る