ウルトラ・ダラー
ウルトラ・ダラー / 感想・レビュー
姉勤
精巧な偽ドル札をめぐる、国際的諜報活動を舞台とした小説。報道関係者を表の顔に持つ英諜報官が主人公 、活動範囲は主に日本。著者は元外務官僚とか。陰謀論を抜きにして面白い。仮に陰謀として繋げるなら、今の世界情勢にもつながる、連綿とした旧東側の怨念と怨念返し。その彼らのナラティブに、後ろめたさを感じる様、下手をすれば肯定する様に、心理工作を長年と受けてきたのだな、と。それはそれとして、長足の技術革新を進行形で体感しているため、一昔前(実際そうなんだが)のスパイ小説に感じてしまう。
2022/07/20
よむよむ
「え~、この人が書いたのか~」と驚きながら読んだ。謎の失踪事件、日英米それぞれのエージェントの暗躍と偽札造。この手の作品は大好きなのだけど・・・なんとなく肌が合わないというか、頭に染み込んでこない感じがあってあまり楽しめなかった。もともと「スギハラダラー」の新聞評を見てコレから読もうと借りたのだけど、ちょっとちがったかな~ゴメンナサイ
2010/04/08
tkkr
先日読んだ「賢者の戦略」の中で紹介されていたのと、「賢者の〜」がおもしろかったので楽しみにしていました。う〜ん、ちょっと期待しすぎたか・・・。登場人物の生い立ちがあまりにブルジョワというか市井の人びととかけ離れていて感情移入しづらく、ちょっと妬ましい気持ちで読んでしまいました。庶民の悲しさ。皆さまの感想から「スノビッシュ」「スノビズム」という言葉を知れたことが収穫(笑)
2017/07/24
ふぇるけん
実際にあったと思われる北朝鮮による偽札作りと拉致に関わって繰り広げられるインテリジェンスの攻防。ちょっとキャラ作りとしては今一つの感もあったけれども、こういったかたちでノンフィクションでは描ききれないストーリーを紹介するという手法は面白いと思う。次作も読んでおきたい。
2015/03/07
CAFECAFE
元NHKワシントン支局長による、偽造紙幣をめぐる諜報劇。偽札の行方から、北朝鮮の野望まで、極秘情報-「インテリジェンス」が世界を駆け巡る。日本文化に邦人以上に明るい、BBC在日特派員スティーブンが暗躍。彼が身を置く殺伐としたチェイスと、日本古来の雅の世界。北朝鮮の背後に蠢く物の正体が垣間見えた時、結構な割合で事実を踏まえて書かれているのでは?と思い、日本の外交を憂えてしまった。ブラックボックスのような北朝鮮始め、米国の思惑が絡む東アジア諸国。杞憂であればと思う。
2010/04/05
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