ミトンとふびん
ミトンとふびん / 感想・レビュー
starbro
吉本ばななは、新作中心に読んでいる作家です。旅と愛をテーマにしたゆるい短編集でした。オススメは、表題作『ミトンとふびん』&『情け嶋』です。 https://www.shinchosha.co.jp/book/383412/
2022/01/20
おしゃべりメガネ
ばななさんワールドはもちろん健在で、更に円熟味の増したレベルへ。作者さん本人もあとがきに書いてましたが、やっぱり『デッドエンド~』は特別な作品であり、一つの到達点だったようで、そんな彼女が本作を書き上げたコトで「引退してもいい」と思えたほどの作品だというコトです。本人がそこまで言う作品だけあり、一言素晴らしいだけでは表現しきれないです。手元において、何度も何度も大切に読み返す作品かなと。いつ読んでもハマるわけではなく、やはり癒しやヒーリングタイプなので、読むタイミングには左右されてしまうかなと思われます。
2022/03/04
いつでも母さん
『たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて生きていく』沁みるようなカバーと帯の言葉に惹かれ、今頃になって手にした久しぶり過ぎる吉本ばななさん。喪失の直後は読書も出来なかった。途切れ途切れの記憶を後から繋いでも欠片は欠片のままで・・新たな涙が頬を伝う。それでも生きている。心の瘡蓋は時々捲れて傷が深くなったりもするけれど。時間の流れは平等なのに早かったりゆっくり感じたりするから、今、この作品と出会えたのはきっとそういうことなのだろう。多分生きてるうちにまた、手にするね・・
2023/01/10
うっちー
あとがきが全てを表している短編集です
2022/07/24
ちゃちゃ
やわらかな言葉でふわりと包まれるような感触。肩の力を抜いて素の自分と向き合い、それでいいじゃないと自分の人生を受け入れることの大切さをそっと教えてくれる。まさにこれぞ吉本ばななの世界観と言える短編集。「なんてことない人生がなんてことなく終わったね、なにも残さず。」葛藤とか苦悩とか生きづらさとか。物事を突き詰めず、でも思い残すことの少ない人生の偉大さ。誰にわかってもらえずとも、自分で自分の頭を優しく撫でてやればいいんだ。いつしか心は浄化され、軽やかで明るい衣を纏うような読後感。久々のばなな作品、心に沁みた。
2022/04/06
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