谷崎潤一郎-擬態の誘惑
谷崎潤一郎-擬態の誘惑 / 感想・レビュー
zumi
谷崎作品の最高の読者が、最高の作家論を書いた。谷崎作品における、エクリチュール・欲望の表れ方や、思想から遠く離れて「芸術」たりえる、ある種の美しさなどに始まり、陰翳美ーー往々にして女性の秘部と結びつき、穢れすらも延長線に浮き上がらせるーーがある意味で「表層の反復」を誘発させ、『痴人の愛』を最高峰の作品たらしめながら、同時に「書くこと」そのものがもつ反復性にも切り込んでいく恐ろしさを解説してくれる。注意したいのはサディスティックな文体とマゾヒスティックな欲望がイマイチ共振できていないこと•••らしい。
2014/02/15
nakatta
「痴人の愛」「鍵」「瘋癲老人日記」「細雪」「吉野葛」について多く言及しています。
2014/04/30
感想・レビューをもっと見る