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家族の昭和

家族の昭和

家族の昭和

作家
関川夏央
出版社
新潮社
発売日
2008-05-01
ISBN
9784103876045
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家族の昭和 / 感想・レビュー

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pepin

関川夏央による、「家族」の変換からみる「昭和」の評論集。第1章のテキストが、向田邦子の『父の詫び状』とあり、彼女が描く戦前の中流家庭の姿が好きなので読んでみた。戦前は長らく「なんら学ぶに足りない暗黒時代」、「なかったことにしたい時代」とされていた。そんな風潮に静かな物腰でなされた異議申し立てが向田邦子の仕事だと言う。戦前を知らない世代にとっても、なんとなく懐かしく、当時の家庭の慎ましさ、秩序ある静かな生活ぶりに憧れを感じてしまう。今はもうない、「家族」の物語をもっともっと読みたかった。

2019/01/20

sawa

★★★★☆ 戦前・戦後・そして昭和末期と、昭和を通して日本の家族の在り方がどう変化していったのかを、小説やテレビドラマをテキストに論じている。ちょっとごちゃついた印象はあったが、概ね楽しく読んだ。吉野源三郎『君たちはどう生きるか』の主人公のクラスメイトの多用性(下町の豆腐やの息子から財界の重鎮の息子まで)には自分も違和感を感じていたのだが、それが戦前の日本の姿だったのだろう。今なんかよりもずっと「格差社会」だったのだな。(図)

2011/03/16

kamakama

向田邦子、幸田文、そして金妻・男女7人夏物語などのドラマ郡という3つのテーマから昭和の家族をあぶりだした力作。ドラマについては自分がその時代を生きていたので、当時を思い出してしまい、気持ちが痛すぎてあまり心が動かなかったけれど、向田と幸田については昭和の女の忍耐と根性、そして家族のありようから自分の生き方の甘さが見えてきて、ずっしりとした重たい宿題をもらった。理不尽な事もいっぱいあったけれども、覚悟の決まった濃密な人生が家族とともにあったのだと思うと、自分のふがいなさを責めたくなりました。

2010/11/03

nora

昭和の家族の変遷を文藝表現の分析を通して活写する、『昭和が明るかった頃』に並ぶ関川夏央の名著。

2009/06/20

tecchan

昭和時代の家族像を、小説,テレビドラマ,映画を三舞台にとして、向田邦子、幸田文の家族,さらに,テレビ「金曜日の妻たちへ」の中から探る。過ぎ去った昭和の時代が蘇る。

2023/09/03

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